加茂 周

 ファルカンジャパンの広島アジア大会の準々決勝敗退を受け、日本サッカー協会は当初からの方針にのっとりファルカンを解任、後任監督の人選に入りました。
 その際、敗戦の原因が監督と選手や協会との不足だという声が上がりました。そのため、日本人で最も実績のある加茂周を監督に推薦するという動きが出てきました。横浜フリューゲルスを天皇杯で優勝させたことが、評価されての推薦でした。

 加茂周は、日本リーグの日産自動車の監督時代、日本リーグ、JSLカップ、天皇杯の三冠を達成するなど、日本人監督としての実績は抜け出ていました。協会は、加茂監督に監督就任を要請、加茂周もこれを受理しました。

 当時は、ファルカンジャパンの不振から、やはりオフトの頃の方が良かったという声が上がり、オフトの頃のメンバーの復帰が望まれていました。 監督に就任した加茂周は12月に日本代表候補30人を発表、その顔触れはマスコミやサッカーファンを納得させるものでした。ラモス、堀池、都並といったオフトの時の中心選手を復帰さる一方、相馬、藤田、長谷川(祥)、岡野などの新戦力を加えた陣容だったからです。

 また、加茂監督の戦術は 「ゾーンプレス」 と呼ばれる戦術で、この戦術は相手がボールを持った際、複数の選手で囲いこみ、ボールを奪ったらすぐに攻撃につなげるというもので、非常に高度な戦術でした。
 しかし、95年1月のインターコンチネンタルカップでは、ナイジェリア、アルゼンチンに大敗を喫し、このままのメンバーでは世界を相手に戦うことは難しいという事が示しされると、加茂監督は徐々にメンバーをベテランから若手に切り換えていきました。
 その間、加茂監督は実に50人以上の選手を試合に出場させ、その力量をチェックしました。その結果、代表の常連となったのが、相馬、柳本、森島、名波といった若い選手でした。

 95年末には、続投か交代か?で多少のイザコザは起きましたが、結局、加茂監督は続投し、そうしたメンバーで戦ってきた加茂ジャパンは96年10月まで、(中にはとてもベストメンバーとは言い難い国もありましたが)アジア勢相手には負けなしという成績を残しました。その為、日本は国内での連勝で波に乗り12月UAEで行われたアジアカップにのぞんだかに見えました。
 しかし、日本はアジアカップで、予選リーグは3戦全勝するも、準々決勝でクウェート相手に日本は敗退、今後の課題を残す結果となってしまいました。

 そして、97年日本は3月からのW杯フランス大会予選に向けてのタイでの調整でも、不振を拭いきれず、ファンの間に不安な雰囲気が漂いました。
 それでも、日本はオマーンで行われたW杯フランス大会予選の前半戦は、一番の難敵と思われたオマーンが若手中心のメンバーだったこともあり、1-0ながら勝利すると、続くマカオ、ネパール戦では大量点を奪い勝利しました。
 しかし、決定的な形がつくれないなどの批判が、加茂ジャパンには依然つきまとっていました。

 加茂監督は5月の日韓戦から、五輪代表だった中田を起用したりキリンカップで3バックを試すなど、色々と改善を試みます。しかし「決定力不足」という言葉がマスコミからつきまとう状況は変らず、一次予選の日本ラウンドもオマーンには引き分けてしまい、通算5勝1分けの成績で最終予選に駒を進めます。
 加茂監督も世論に押されてか、Jリーグで活躍している選手を何人か新たに起用してテストしますが、結局、それほどメンバーに大きな変化はありませんでした。

 そして迎えたアジアW杯最終予選、FIFAは8月になって急遽、アジアをAB2組に別れてのホーム&アウィ方式に変更し、日本はB組に入りました。
 9月の最終予選の緒戦、日本は5万人以上の大観衆で埋った国立競技場で、カズの4ゴールなどでウズベキスタンに6―3で快勝し上々のスタートを切ります。
 しかし、アウェイのUAE戦では全体的な試合のペースは掴むもののドロー、ホームで絶対に負けられないとのぞんだ韓国戦も先制しながら終盤にまさかの逆転負け、そしてアウェイのカザフスタン戦ではやはり先制するも、その後、何回かあった決定機を決められず、後半ロスタイムにまたもまさかの同点ゴールで引き分けてしまいました。

 この為、日本サッカー協会はカザフスタン戦終了後、加茂監督を更迭、代わってヘッドコーチだった岡田武史を監督に昇格させます。
 ここに来ての急な人事交代、こうなる前にもっと早く他に何かできなかったのか?日本サッカー協会の行動には疑問が持たれました。



95年の日本代表の記録
(インターコンチネンタルカップ、アンブロカップ等)


96年の日本代表の記録
(第11会アジアカップ等)


97年上半期の日本代表の記録
(98年フランスW杯アジア地区一次予選等)


97年下半期の日本代表の記録
(98年フランスW杯アジア地区最終予選等)


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