シドニー五輪代表の布陣3
2000年
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親善試合(ニュージーランド戦)(3月)
シドニー五輪壮行試合(9月)
シドニー五輪(9月)
親善試合
(ニュージーランド戦)(3月)
4―0 ニュージーランド五輪代表
(中村、高原2、小島)
左の布陣が、国立競技場で行われた親善試合のニュージーランド戦の布陣です。
●日本はこの試合では、GKに曽ヶ端、DFでは宮本が選出されずに、代りにA代表でもいい出来だった松田が3バックの真ん中に入り、右に中沢、左に中田(浩)。中盤では中田(英)は召集されずに、小野も負傷により代表辞退。その為、中盤は中村が中央に入り、明神、稲本が中盤の底、左に本山、右に市川、2トップは高原、平瀬でスタートしました。
●GKは曽ヶ端は、安定したプレー。また3バックもうまくラインをコントロールし、無失点でした。松田は五輪代表では初めての試合でしたがA代表同様、うまいラインコントロールとカバーリング。また、機を見て攻め上がるなど、宮本とはまた違った持ち味を見せていました。ただし、相手のニュージーランドがそれほど攻めの形を持っていなかった点も無視は出来ません。
●中盤は、サイドの本山、市川ともに、ニュージーランドの守備陣が引き気味でサイドのスペースを消されていた事もあり、十分には機能出来ませんでしたが、時折、効果的なサイドチェンジに反応しチャンスを作るなど、見せ場はありました。中村は正確なキックと広い視野で、このポジションでのプレーを強烈にアピール、FKでも見事な先制ゴールを決めていました。稲本も、広い視野でロングパスを連発。身体的にも強い所も見せていました。明神も、良いポジショニングで相手の攻撃の芽を摘んでいました。
●FWは、高原は非常に質の高い動きでチャンスに再三絡み、チャンスにも何度も顔を出し2ゴール。一方で平瀬は、この試合では、やや積極性に欠けました。
●試合は序盤から日本のペース。ニュージーランドは引き気味で時折、カウンターを狙う以外は、日本のプレッシャーの前に殆ど攻め手がありませんでした。
●序盤から押し込む日本でしたが、FWの決定力不足でなかなか先制点が奪えません。それでも、中村の見事なFKで先制。その後、セットプレーからの一連のプレーの後、最後に高原が押し込み2点目。日本は2点リードで後半に入ります。
●後半、トルシエは動きの悪かった平瀬に代えて小島を投入。その小島は、持ち前のスピードとゴール前の突破力から追加点。この試合では、キレのいい動きを見せていました。
●それ以外にも、市川に代えて西、高原に代えて北嶋も投入。西はややボールが持ちすぎな感はありましたが、持ち前の突破は披露。北嶋は前線でボールが欲しい時にボールがもらえないなど、連携面での不足の影響が出てしまい、また、高原とは違いボールを受けるタイプなので、なかなか攻撃でチャンスが作れなくなってしまいました。この辺りは、北嶋だけの問題少し時間がかかるかもしれません。
●結局、日本は小島、高原の追加点で4点を奪い、4―0であぶなげなく勝利しました。
●しかし、本当に流れの中で点を取れたといえるゴールはなく、どれもセットプレーがきっかけでのゴールでした。それに、大勝したはいいもののこの試合は本当に強化の意味があったのか、何故、対戦相手がニュージーランドだったのか等、試合の意義自体に疑問ありました。
●今後のトルシエと日本サッカー協会との間の、代表を巡る動向には注目していかなければならないでしょう。
シドニー五輪壮行試合(9月)
6―0 クウェート五輪代表
(中村2、稲本、吉原2、平瀬)
3―1 モロッコ五輪代表
(オウンゴール、オウンゴール、本山)
左の布陣が、シドニー五輪の壮行試合として長居で行われた壮行試合の際の日本の布陣です。
●先発メンバーは、GKにオーバーエージの楢崎、中央には松田、右にやはりオーバーエージの森岡、左に中田(浩)、中盤はドイス・ボランチで稲本と明神、左に中村、右に西、トップ下に中田(英)、FWは柳沢と高原の2トップでした。
●この試合の焦点は、本番を間近に控え、久々にチームに合流した中田(英)がどれだけチームにフィット出来るか、オーバーエージの選手の連携はどうか、各選手のコンディションはどうかなどを確かめる事でした。
●対戦相手のクウェートも、時差の調整なども兼ねての来日だった為に、コンディションも決して好調ではなく、ホームの日本としては勝って弾みをつけたい試合でした。
●日本は試合序盤からリズムを掴みます。柳沢、中田らはテンポの良いパス回しで、再三のチャンスを掴みますが、クウェートGKの好守などもあり得点が奪えません。
●中田や、右サイドの西などチームにまだ十分に馴染んでいない選手は、この試合でも自分の持ち味を披露しようとはしていましたが、どうしても孤立しがちになってしまっていました。
●DFに関しては、松田中心の3バックや稲本、明神のドイスボランチがバランス良く、相手に殆ど決定的な仕事はさせませんでした。しかし、時折、スピードのある選手が3バックの選手の間を突破しようとする時に、危ないと思わされる場面もあり、祖そういった所が課題とも受け取れました。
●前半は、日本が終始押し気味なふがらも0―0での折り返し。やや不満の残る内容でした。
後半、日本は左サイドに本山を投入。中村を真ん中の位置に入れ、中田は自身の判断でやや上がり目のFWの位置に入ります。また、DFも中沢や宮本を投入。積極的に色々な形をテストします。
●後半は日本のゴールラッシュでした。中村が中央に入った事で、中田がpとりになり、中村自身は自由に雨後置き回る事ができ、本山のドリブルも光るなど、攻めのバランスが良くなります。
●中田(英)のヒールパスから、中村がダイレクトで左足でミドルシュートを放ち、日本が先制。トルシエはその後も、吉原や酒井、平瀬を入れるなど積極的に選手を起用。
●その後も、交代出場で入ったバックアップメンバーの吉原が2ゴール、中村のPK、稲本のミドルシュートなどで一気にクウェートを突きはなします。
●守備の方でも、ドイスボランチと3バックはまずまずの出来。相手のスピードに対して、最後の所では、対処が出来ていました。ただ、スピードのある選手に裏を取られると怖いなと感じる場面はありました。
●オーバーエージ枠として、初めて五輪代表の試合に出場した楢崎ですが、A代表でもやっている選手が多い為、それほど連携に不安な面は見られませんでした。ただ、圧倒的な存在感とまではまだいっていないようです。
●結局、試合は6―0で日本の快勝。従来は、苦手とされてきた中東勢のクウェート相手に、これだけ色々とテストをしながら、大差で勝利できあのは大きな収穫といえます。ただ、ゴールは全て後半、クウェートの足が止ってからの時間帯だった為、前半のようにきついプレッシャーの中で、どれだけ出来るのかが、さらなる課題と言えるでしょう。
モロッコ戦前半

左の布陣が壮行試合の第2戦として行われた、モロッコ戦の日本の布陣です。
●日本は、この試合では左サイドにオーばーエージも三浦を起用。負傷明けの三浦がどれだけ出来るのかが、この試合の大きな焦点の1つでした。
●また、この試合では中盤を稲本1人のボランチにして、最初から中田(英)と中村の2人を攻撃的な位置で並べ、明神を右サイドで起用するという形を取りました。DFとGKはクウェート戦と同じ。FWは、柳沢と平瀬というアントラーズコンビの先発になりました。
●モロッコも決して、体調は万全ではなく負傷している選手も多く抱えての試合になりましたが、それでもスピードや個人技のレベルは非常に高く、日本は何度かピンチになりかけます。
●守備に関しても、日本は稲本1人のボランチだと、どうしてもスペースを埋めるのにバランスが悪く、相手の攻撃にうまく対応できません。
●前半早々に日本は、中盤で相手をフリーにした隙に、強烈なミドリシュートを撃たれ相手に先制点を許してしまいます。
●その後は、一進一退の攻防。日本もチャンスは作りますが決定的な形にはなかなかなりません。それでも、三浦のコーナーキックが相手のオウンゴールを誘い日本は同点に。三浦の強烈に曲がるボールが生んだゴールと言っていいでしょう。
●三浦は前半45分だけのプレーでしたが力強い突破、正確なキックなど、随所で持ち味を披露。復調をアピールしていました。
●前半は1―1で折り返します。
モロッコ戦後半

左の布陣が後半です。
●日本は再び、中田をFWの位置に上げ、左サイドには本山を投入。右サイドに酒井を入れて、ボランチを稲本と明神のドイスボランチの形に修正しました。これで、攻守のバランスが一気に良くなりました。
●まず、ドイスボランチにした事により守備のヴバランスが安定し、それにより中盤から供給されるパスも多くなりました。また、右サイドの酒井が守備面でバランス良く動いたので、その影響で左の本山の攻め上がりも効果的になります。
●前線で中田(英)も良く動き回り、前線からゲームメーク。中村の個人技も徐々に冴えます。
●日本は、中村の個人技からの突破から、センタリング。これをモロッコDFがまたもオウンゴール。やや幸運形でしたが、日本が逆転します。
●更にその後、中村の折り返しのパスを受けた本山が、前半のお返しと言わんばかりの豪快なミドルシュート。これが決まり日本は3―1と突きはなします。
●日本は宮本を投入して3バックの左に、また森岡を中央に配置する布陣もテストします。この形も、宮本や松田が中央に入った時っとはまた違い、十分に機能しているという印象を受けました。
●その後、再びトルシエは右サイドで西をテスト。明神、酒井のドイスボランチの形もテストしました。
●相手のモロッコは最後まで足が止る事なく、積極的に攻撃を仕掛けてきました。それでも日本DFは良く守り後半はシャットアウト。日本は3―1とモロッコを降し、いい形で壮行試合を2試合を終える事が出来ました。
●この2試合で、トルシエは実にさまざまな形で選手をためし、見極めを行いました。機能した部分もありましたし、機能しなかった面もありました。それらをチェック出来たの上に、勝利で飾れたのは大きかったと癒えるでしょう。
●中田を上がり目で起用し、中村を中央で起用したり、ボランチを稲本と明神の2人した方が良く機能するなど、はっきりした面もありましたが、3バックに関してはまだまだ不安な要素も多い気がします。
●しかし、強豪相手に危なげなく自信のあるプレーをした日本選手達は本当に頼もしい限りです。本番まであとわずか。日本代表には最善を尽くして欲しいと思います。
シドニー五輪(9月)
2―1 南アフリカ五輪代表
(高原2)
2―1 スロバキア五輪代表
(中田、稲本)
日本五輪代表 0―1
日本五輪代表 2(4 PK 5)2
(柳沢、高原)
左の布陣がシドニー五輪の初戦、対南アフリカ戦の日本の布陣です。
●予選リーグ突破を狙う日本にとっては、落とせないこの試合、トルシエはスタメンに、GK楢崎、3バックは中央に森岡を起用。左に中田(浩)、右に中沢。中盤は稲本と明神のドイスボランチ、右に酒井、左に中村、中央に中田、2トップに柳沢と高原というものでした。
●誰が入るかで注目されていた3バックの真ん中は、松田でも宮本でもなく森岡でした。この形は、A代表では何度かありましたが、五輪の試合では壮行試合でわずかな時間試しただけ、それでもこの形をとったおいう事は、トルシエは安定感を選んだという事でしょうか。
●しかし、3バックをあげすぎて裏を突かれて、あわやのシーンや能力の高い相手FWに、1対1の場面で抜かれてしまうなど不安定な面も露呈。ボールに釣られて、3バックの外にいる選手をフリーにしてしまう場面もありました。この辺りは、早急に修正しなければいけない点です。
●中盤はほぼ予想された、攻守のバランスが一番取れていると思われる構成でした。しかし、滑りやすいピッチ、南アフリカの選手の高い個人技とスピードの前に、思うようにプレスがかからず、再三、中盤を突破されてしまうシーンが目立ちました。
●稲本、明神も前半は守備に時間を割く場面が多く、ボールがなかなか繋がりません。2列目からの突破のシーンでは、惜しいチャンスもありました。
●左の中村もどちらかというと、守備に戻る場面が多く、危ない場面で中村がクリアをして助かるという場面もありました。中田は、コンディションはまだ万全ではなかったのかもしれませんが、ポジション取りや守備でも貢献。存在感を十分に示していました。右の酒井は、攻守に安定したポジショニングで能力の高さを見せていました。
●FWの2人は、中盤からなかなか良い形でボールが来なかったものの、ポストプレーと繋ぎでは良く頑張っていました。ただ、ボールを持ってからの球離れやシュートシーンでは、思い切ってシュートの決断をしないと、世界レベルの試合では厳しいという印象もありました。
●試合の方は、前半から個人技とスピードのある南アフリカに対して、思うように自分達のプレーが出来ない日本が押されるシーンが目立ちました。1対1で抜かれ、数人で囲い込んでどうにか、ボールを奪うといった感じ。危ないシーンの連続で、31分には個人技で左サイドを突破されセンタリングを合わせられ、南アフリカに先制点を許してしまいます。
●しかし、日本は前半ロスタイムにゴール前のフリーキック。中村が蹴った正確なボールを、高原がバックヘッドで流し込みゴール。同点に追い付きます。
●後半、日本はメンバーを代えずにのぞみます。南アフリカは疲れたためか、前半ほどの勢いはなくなり日本は前半よりはボールが持てるようになります。しかし、俊発的な力は持っているために、それには何度も危なくなりかけるシーンがありました。
●お互いチャンスを作りながら、なかなか決められずにいた後半30分過ぎ、トルシエは柳沢に代えて本山を投入。従来のような左サイドにではなく、FWとしての起用でした。南アフリカDFの裏にスペースが出来たための判断でした。
●その数十秒後に、試合が動きます。本山のドリブルから、中田(英)がクロスしてパス交換でボールをもらい、そのままドリブル。本山と中村は、左サイドの方に走り。相手DFの注意を左サイドに引き付けます。しかし、その間をくぐって左サイドから高原が右前に走り込みます。それを中田(英)は良く見ていました。右サイドにポッカリと空いたスペースへ正確なスルーパス。高原はこれを落ち着いてゴールへ流し込みゴール。日本は逆転に成功します。
●その後も南アフリかは猛攻を仕掛けてきますが、日本は必死の防戦でゴール前を死守。逆にカウンターから何度か惜しいシーンも生まれました。結局、このまま試合終了。日本は大事な初戦で勝ち点3を手にしました。
●内容は懸案だったフラット3を再三破られたり、中盤でプレスが効かないなど決して満足のいくものではありませんでした。しかし、コンディションが悪いながらもしっかりと仕事をこなした中田(英)、チャンスの数は少なかったものの、ちゃんとものにした高原。必死の守りを見せた、選手全員の結果と言えるでしょう。
●世界の舞台は、やはり決して甘くはありません。南アフリカもアフリカ予選の第4代表だったとはいえ、日本は非常に苦しみました。世界の真剣勝負の舞台。簡単に勝てる空いてはいません。それでも、この試合で日本は落ち着いて最後まで慌てることなく、決めるべきところでしっかりと決め、勝利しました。逆に南アフリカは、再三のチャンスを決められませんでした。これは、チームとしての経験の差で、日本が上回っていたといえます。徐々に日本が、チームとして成長してきているという印象を受けた1戦でした。
スロバキア戦
左の布陣が、シドニー五輪第2戦、スロバキア戦の日本の布陣です。
●同グループの南アフリカが、ブラジルと対戦するという事もあり、日本はこの試合で勝利すれば勝ち点が6となり、第3戦のブラジル戦を前にグループリーグ2位以内が決まる可能性も高く、大切な1戦でした。
●日本はこの試合では、右に三浦が先発。他は第1戦と同じメンバーでのぞみました。
●対戦相手のスロバキアは、長身の選手を多く揃え、序盤から守備を固めてきたため、日本は中盤までは優位にボールを支配し攻め込みます。
●日本は前半から何度もチャンスを掴みますが、なかなかゴールが奪えません。柳沢や稲本などが決定的なチャンスを作りますが、GKの好守や自身のミスなどによりゴールが奪えません。これが、スロバキアの守備にも余裕を与えてしまいました。
●しかし、スロバキアは守備を固めてきた分、守備が単発で、南アフリカほど日本は押し込まれる事はなかったので、日本のDF陣は落ち着いた対応が出来ていました。
●前半は、日本がやや押し気味だったものの、0―0で折り返します。
●後半開始直後も、日本は攻撃の形がうまく作れません。それどころか、中田や森岡が警告を受けてしまい累積2枚目となり次の試合が出場停止になってしまいます。
●後半トルシエは動きます。柳沢に代えて酒井を投入。酒井は右サイドに入り、三浦が左サイドへ。中村が真ん中に入り、中田がFWの位置へとそれぞれポジションが変動します。
●これにより、日本の攻めのリズムが良くなります。パス回しがスムーズになり、三浦の突破からチャンスが生まれます。
●後半22分、三浦のドリブル突破で左サイドを上がりセンタリング。これを中田がダイビングヘッドで叩き込み、日本がようやく先制ゴールを上げます。再三チャンスを作っていながら、なかなか点が取れていなかっただけに、待望のゴールでした。
●その後、点を取るために、前がかりにならざるをえなくなったスロバキアの裏を、日本が突けるようになります。
●日本はカウンターから高原がDFラインの裏に抜け出し、ボールを持って独走。GKと1対1になりシュートを放ちますが、シュートはGKに当たり勢いが弱まり、スロバキアDFにクリアされかけられます。しかし、そこに高原の独走と同時に走り出していた稲本が詰めてゴール。日本はいい形で追加点が入り勢いに乗ります。
●その後、一瞬の隙を突かれて1失点。その後、本山や平瀬などが投入され、決定的なチャンスを向かえますが、最後のシュートの場面で雑になってしまい決まらず。それでも、守りは最後まで集中し、試合は日本が2―1で勝利しました。
●スロバキアも決して簡単な相手ではありませんでしたが、日本は実力を発揮し、苦しい試合に芹勝ちレベルが確実に上がっている所を見せました。
●しかし、同じ時刻に行われた同グループの南アフリカvs.ブラジル戦で、南アフリカがブラジルに勝利してしまったために、日本は2勝して勝ち点6を得たも関わらず、グループリーグ突破はならず、それどころかブラジル相手に引き分け以上の成績でなければ、南アフリカの成績如何では、グループリーグ敗退の可能性さえ出てきてしまいました。
●しかし、厳しい試合を実力を出し切って戦っている選手達、ブラジル相手にも決して臆する事なく堂々と戦ってくれる事でしょう。やれるだけの事をやって、しっかりと最後まで戦い抜いて欲しいと思います。
ブラジル戦
左の布陣が、シドニー五輪第3戦ブラジル戦の日本の布陣です。
●日本は中田と森岡が警告累積で出場停止。日本は中盤の真ん中に中村、左サイドに三浦、DFの3バックの中央にはこの大会出場の宮本が入りました。
●この試合で負けると、後がないブラジルは最初から勢いを付けて日本ゴールに攻めかかります。3バックの更に外側からのサイド攻撃を中心に猛攻。前半5分に、早くも先制ゴール。日本は1点のビハインドとなります。
●しかし、その後はブラジルはややスローダウン。一転して慎重な攻め方になります。
●日本も、決してずっと押され気味なだけだった訳ではなく、中盤でしっかりと繋いでチャンスを作りかける場面もありました。中沢のヘディングシュートや中村のFKであわやの場面も作り、ブラジルDFを慌てさせます。
●宮本を中心にした3バックも、1失点は喫したものの、宮本の積極的な押し上げで、何度もオフサイドを奪い、やはりこのポジションで慣れて入るという面をアピールしていました。
●中盤でも日本は決してブラジルに負けてはいませんでした。ただ、日本選手はそれまでと違うスタジアムでのプレーだったために、芝に慣れておらず滑ってチャンスを失ってしまう面も見られました。
●しかし、後半は明らかに日本の方がブラジルを圧倒していました。ブラジルが最後の所で体を張りどうにかゴールを守るという場面も多く、惜しい場面が何度もありました。
●トルシエも、勝負に行かなければいけない場合は、本山投入などを早く行いといった選択もありましたが、他競技場で南アフリカがリードされているの方が入り無理はさせません。本山や平瀬が投入されたのは、かなり後の時間になってからでした。
●日本はDFでも、中田(浩)が負傷で退場。代わって松田が入りますが、守備に大きな影響はなくそれ以上の失点は許しませんでした。
●日本はこのまま0―1での敗戦でしたが、南アフリカが1―2で敗れたためにグループリーグ2位が確定し、決勝トーナメント進出が決定しました。
●4年前のアトランタでは、2勝しながらも決勝トーナメントに進めなかった日本。その2勝も決して相手を完全に崩し実力で勝利ちたとは決して言い切れないものでした。しかし、その4年後、日本は持てる実力を発揮し、接戦を競り勝ちしっかりそ実力で2勝をもぎ取り、ブラジル相手にも敗れはしたものの、堂々と最後まで戦い抜き、その結果、決勝トーナメント進出を決めました。内容、結果ともに前回のアトランタを上回ったと言えます。
●確実に成長をしているという事を示した日本五輪代表。彼等は今、世界の舞台で戦いながら最高の経験をしているはずです。行けるところまで、日本には戦い抜いて欲しいと思います。
アメリカ戦
左の布陣が、シドニー五輪の準々決勝、対アメリカ戦の布陣です。
●日本は、中盤に中田、DFには森岡が戻ってきました。あと、3バックの左の中田(浩)が負傷のため松田が入りました。あとは、従来通りのメンバーです。
●日本は序盤からアメリカのスピードに振り回され、危ない場面もありましたが3バックを中心に最後の所ではしっかりと守っていました。アメリカは日本を良く研究しており、3バックの外側からのサイド攻撃を中心に、スピードのある速攻を仕掛けてきます。
●対する日本も、中盤でしっかりとパスを繋ぎ、再三のチャンスを掴みます。しかしなかなかゴールを奪えません。この大会を通じ、いい形を作りながらなかなか点が取れないという、日本の粉y劇のもどかしさはずっと続きました。
●それでも、日本は前半30分、右サイドのセットプレーから最後、中村の右サイドからのセンタリングを柳沢が地面にたたきつけるヘディング。これがゴールに入り、日本が先制。柳沢自身も今大会、ようやく初ゴールを決めます。
●日本はその後も、アメリカの速攻には苦しみますが、どうにか前半は0点で抑えて折り返します。
●後半も試合の展開はそれほど大きくは変化しませんでした。ややアメリカがまえがかりだったために、中盤にスペースが出来日本がボール運びが多少良くなり、メンバー交代はなし。トルシエは、決してまずくないチームバランスだったために、それを重視したのでしょう。
●しかし、日本はセットプレーのこぼれからミドルシュートを決められ、アメリカに同点に追い付かれてしまいます。
●日本は柳沢に代えて三浦を投入。中村を中央に入れるという、今大会で定番となった交代で流れを代えようとします。これでだいぶ、日本の中盤は生き返りました。
●27分中村のセンタリングから、高原がヘディングシュート、一度はGKに弾かれますが高原が再度ボレーで叩き込み日本は再び勝ち越します。
●この後、アメリカは必死のパワープレーで押し込みますが、日本はどうにか跳ね返すという展開。日本も買う歌ーから途中、楢崎が味方と接触して顔面を負傷するというアクシデントもありましたが、どうにか守っていました。
●このまま試合終了かと思われた後半44分。日本は微妙な判定ながらPKを取られてしまい、土壇場でアメリカに同点に追い付かれてしまいました。
●その後、試合は延長戦へ。体力のあるアメリカが猛攻を仕掛け、日本が跳ね返すという展開。何度か、カウンターから惜しい場面もありましたが決まらず。トルシエも守備が精一杯だっただけに、本山を入れるなどの攻撃的なオプションが行使出来ないまま、に延長戦も終了。勝負はPK戦になりました。
●顔面を負傷した(後になって骨折と判明)楢崎は必死でゴールを守りました。コースは完全に読んでいましたが、止める事は出来ませんでした。日本は3人まで成功しましたが4人目の中田がポストに当て失敗してしまい万事休す。日本はベスト8という結果で、このシドニー五輪を終えました。
●特定の選手には頼らないとは言いながらも、存在感も含め中田の存在は大きかったこのチーム、中田のPK失敗による敗戦は、この大会を象徴したような敗戦でした。
●98年の11月、47000人の観衆が集まった国立競技場で始まったドリームチームと叫ばれた、このシドニー五輪代表。実に70人近くもの選手が呼ばれテストされました。中には小野のように不運な負傷によりチャンスを逸してしまったような才能のある選手も数多くいました。何回も選手の入れ替わりがありながらも、確実に成長してきた事を我々の前で見せてくれました。それは即ち、日本の若い世代=日本サッカーの成長でもあると言えます。そしてこのチームがここまで来られたのは、フィリップ・トルシエという監督の手腕による所が大きかったのも、否定は出来ないでしょう。
このアメリカ戦に関して言えば、トルシエの弱気な采配に疑問が上がったのも事実です。しかし、トルシエのチームだったからこそ、ここまで来られたという見方も出来ます。限られた人数の中で、いかに複数のポジションをこなせる選手を育て選手層の厚いチームが出来ていったのか、こういう選手の育て方があるのあかという事を、我々は教えられた気がします。
世界のベスト8、決して恥ずべき結果ではありません。選手には胸を張って欲しいと思います。ただし、勿論、ここで終わってしまっては意味がありません。ここでの戦いの経験を次へと唾毛泣ければいけません。五輪代表にとっての次の舞台、それは言うまでもなくA代表。W杯です。五輪とW杯ではレベルが違います。五輪のような訳にはいきません。日本は選手個々も、チームとしても、もっともっとレベルアップしていかなければならないでしょう。しかし、こうやって成長してきている所を確実に見せてくれる選手達に対し、期待せずにはいられません。
アトランタの時の代表からも、A代表へと登り詰めた選手が何人もいます。監督が違うので、簡単に比較は出来ませんが、このシドニーの世代はメンバーの殆どがA代表を経験している選手です。
2002年、2006年へと彼等は更に経験を積み成長してくれる事でしょう。彼等とともその軌跡をこれからも見続けていく事が出来るのならば、それはとても幸運な事なのかもしれません。
取り合えずは、選手達にはお疲れ様と言いたいです。今回、世界の舞台で戦った選手、そしてその舞台を目指しながらも様々な理由でそれが叶わなかった才能のある選手達。彼等の本当の戦いはこれから始まったと言えるでしょう。
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