シドニー五輪代表の布陣1
1999年
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壮行試合(オーストラリア戦)(5月)
シドニー五輪一次予選
(香港ラウンド)(6月)
シドニー五輪一次予選
(日本ラウンド)(6〜7月)
壮行試合・日韓戦(日本)(9月)
壮行試合・日韓戦(韓国)(9月)
シドニー五輪最終予選
vs.カザフスタン(アウェイ)(10月)
vs.タイ(ホーム)(10月)
vs.カザフスタン(ホーム)(11月)
vs.タイ(アウェイ)(11月)
壮行試合
(オーストラリア戦)(6月)
左の布陣が、駒場で行われた、五輪代表の一次予選の壮行試合の際の日本の布陣です。
●4月にワールドユースのメンバーからは、酒井、中田、稲本、そして予備メンバーだった曽ヶ端の4人がスタメンに名を連ねました。
●DFは、戸田、宮本、古賀のフラントな3バック。中盤はボランチの位置に稲本、やや上がり目の位置に明神、高い位置には中村が入りました。左のウイングに中田、右に酒井、2トップは柳沢と福田の2トップでした。小野はこの試合は、怪我の為辞退しています。
●このチームとなり、初めてゴールマウスを守る様になった曽ヶ端は、動きが固くなるという事もなく、ポジショニングも正確でしたしキャッチングなども大きな問題はなく、全体的に安定した守りを見せていました。
●3バックの3人は、高い位置にラインを保ち、再三オフサイドを取るなど戦術が浸透している所を伺わせていました。
●中盤では、中村や明神らが正確なキックでいいパスを出しますが、左右のウイングなどとの連携がうまく行かずに、パスが繋がりません。効果的な攻めはなかなか生まれず、まだ意思疎通が十分ではない印象を受けました。
●稲本も、調子が悪かったのか、ポジショニングが中途半端になるシーンが目立ち、何本か効果的なサイドチェンジは見られましたが、戦術のためか自身の攻め上がりもあまりなく、不完全燃焼といった感が否めませんでした。
●左右のウイング、中田、酒井は、連携の面では課題が残りましたが、カバーリングやフォローなどは適確で、積極的にシュートの場面にも顔を出すなど、効果的な動きは出来ていました。
●FWの柳沢と福田は、積極的に動き回り、チャンスに絡もうとしてはいましたが、高く早い選手を揃えたオーストラリアの選手を相手に、動きを封じられてしまい、あまり見せ場はありませんでした。
●試合の方は、前半からお互いに中盤で潰し合う様な展開。しかし、そんな中でも高さと速さを兼ね備えたオーストラリアは、徐々に試合のペースを掴んで来ます。日本も何度か、オーストラリアの中盤でのチェックの甘さを突き、ゴール前までボールを運びますが、最後の決定的なシーンまではなかなか行きません。結局、試合は0―0で折り返します。
●後半、トルシエは、福田に代えて平瀬を、そして動きの良くなかった稲本に代えて石井を投入、石井は攻守の繋ぎを意識し、動き回りますが、それほど大きな効果にはなりませんでした。平瀬は、持ち前の高さとポジショニングの良さを見せ、終盤には惜しいヘディングしゅートを放つなど、まずまずの動きを見せていました。
●更にトルシエは、戸田に代えて、やはりワールドユースに出場していた本山を出します。本山は、左のウイング的なポジションでプレー。それに伴い、中田が左のDFの位置に下がりました。
●本山はボールのキープ力を見せ、更には自分から1対1wしかけに行くなど、積極的に動き回り攻撃のアクセントになっていましたが、やはり、決定的な場面にはなかなか絡めませんでした。一方で、3バックの一角に入った中田は何ら遜色のない動きを披露。能力の高さを示しました。
●試合は、後半、オーストラリアが日本ゴール前で得たFKを、サンフレッチェ広島でプレーするフォックスに直接決められてしまい、オーストラリアが先制します。日本も、後半半ば頃から何度かゴール前でチャンスを迎えますが、オーストラリアのGKの好守もあり、なかなか得点が奪えません。意思疎通が十分でなく、連携面でのミスが目立つなか、結局、試合はそのまま終了。日本は1―0で敗れてしまいました。
●守備面ではFKの1失点のみでしたし、中盤でも囲って奪う所までは出来ている感じで、及第の出来だと思いましたが、攻撃面に関しては、小野がいないなど決してベストメンバーではありませんでしたが、まだまだ時間がかかりそうな気がしました。
●しかし、それでもそこそこの試合展開になったのは、やはり選手個々の能力の高さの表れだと思います。オーストラリアも、この段階ではチームとしての完成度は低く、日本には個人能力の差で勝ったといった印象があります。
●ユースで結果を残せたトルシエが、五輪代表チームをどれほどまでに成長させる事が出来るのか、これからが楽しみです。
五輪一次予選(香港ラウンド)(6月)
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13-0 |
フィリピン五輪代表 |
(平瀬4、吉原3、小野2、中村、 本山、明神、オウンゴール)
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5-0 |
ネパール五輪代表 |
(小野、広山、平瀬、吉原2)
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4-0 |
マレーシア五輪代表 |
(稲本、本山、小野、吉原)
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4-1 |
香港五輪代表 |
(中村、小野、吉原、山下)
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香港ラウンド

左の布陣が、シドニー五輪一次予選、香港ラウンドの日本の布陣です。
●トルシエは、この大会では毎試合スタメンを入れ替え、登録された20人のメンバー全員を4試合で全員出場させました。ナイジェリアのワールドユース組からは、小野、本山、稲本、酒井、中田、南、曽ヶ端(補欠)が出場しています。
●GKは、南がネパール戦に、他の3試合は曽ヶ端がゴールマウスを守りました。全ての試合、日本が圧倒的にボールを支配し、相手陣内に攻め込む時間帯が多かったため、あまり出番はありませんでしたが、相手のカウンターの際には積極的に前に出て対処するなど、集中していました。ただ、香港戦の終盤の失点の時は、やや集中が欠けていました。
●DFは、中央の宮本(最終戦の香港戦だけ山口)を中心に、左右のどちらかのDFは積極的に攻め上がるという形を取っていました。左右のDFは、毎試合組み合わせが違いましが、どの選手も相手のレベルが高くなかった事もあり、ライン調節などもほぼ無難な出来。ただ、1対1をファウルで止めるシーンや、中央にボールあげられた時に裏を突かれかけるシーンがあり、強豪チームが相手の最終予選には、少しこういったミスが怖いなという印象も受けました。
●中盤は、底の位置には主に石井と稲本が起用されていましたが、稲本はこの大会、全般的に動きが重く、プレスのかけ方などでトルシエの期待した動きが出来なかった為に、フル出場もなく1点は取るものの、あまり出番はありませんでした。
●一方で石井の方は、前線とDFの間を繋ぐ動きに従事、地味な動きながらポジショニングの良さで攻守のバランスを保ち、味方のカバーもよく、機があれば自らも積極的に攻め上がるなど、非常に機能していました。
●中盤のやや上がり目の位置には、小野、中村、明神の3人が主に起用されました。小野は、ゲームメーカーとして、好きパスや攻めの緩急のリズムを生みだし、アシストをいくつも決め、自らも5ゴールを挙げるなど、さすがの活躍。中村も、慣れない左ウイングのポジションや、右側の攻撃的な位置をまかされながらも、自分で積極的に動いてチャンスメイクをし、やはりアシストや得意の左足からFKで2得点を挙げ、その存在感を十分にアピールしました。明神も、通常よりもやや上がり目での起用でしたが正確なキックとポジショニングで中盤のバランスを良く取り、時には攻めの起点にもなりました。緒戦のネパール戦では、ミドルシュートで1点を挙げています。
●右のアウトサイドのポジションは酒井が2試合、広山と明神が1試合ずつ入りました。酒井は、ポジショニングと守備の高さが目立ちましたが、攻めの時のもう少し工夫が欲しいかなという印象。広山は再三、スピードある突破でセンタリングを何本も上げるなど、効果的に働いていました。明神は、やや不慣れだったかなという印象でしたが、それでも無難にプレーしていました。
●左のアウトサイドには本山と中村が起用されました。本山は、ナイジェリアのワールドユースでもこのポジションで活躍しただけあり、前半戦はキレのある動きと小野達との息の合ったプレーで、再三チャンスに絡み、自身も2得点を挙げています。ただ、終盤は疲れからか、やや動きに精彩を欠いていたという印象は否めませんでした。中村は、不慣れなポジションながら懸命に動き回り、やや中央にポジショニングが片寄ってしまう事もありましたが、十分に機能していました。
●FWには、柳沢、平瀬、吉原、山下の4人が起用されました。平瀬は持ち前の高さを活かし、また自身も積極的に動き回り、4試合で5点を挙げる活躍。柳沢や本山との連携もまずまず出来ていました。吉原は、1試合もフル出場はないものの、スピードのある突破と的確なポジショニングで得点を量産、実に4試合で7得点を挙げる活躍を見せ、この大会の一番の収穫と言ってもいい出来でした。山下は出場時間が少なかく、4試合目の香港戦で1得点は挙げるものの、なかなか決定的なチャンスには絡めませんでした。
●このチームで最も注目されていた柳沢は、ほぼ全試合に出場していましたが、結局ノーゴール。1対1を止められたり、PKを決められないなどツキにも見放されている様でした。しかし、それでも的確なポジショニングから味方のボールを上手に受けて、チャンスの場面には再三絡み、アシストを何本も決めるなど、決して機能していない訳ではありませんでした。しかし、彼に望まれているのはやはりゴールでしょう。そういった意味では、不満な出来でした。
●この香港ラウンド、日本はレベルの高くないチームが相手という事で、勝つ事は大前提、何より内容が重視されていました。その意味では、DFラインもまずまず安定していましたし、中盤のパス回しやセットプレーからも得点が取れたので、その点は及第点だと思いました。
ただ、メンバーの組み合わせによっては攻守において連携がまだ不安定な一面があったり、相手のミスに助けられる場面も少なくなく、稲本の不調、柳沢のノーゴールなど、最終予選へ向けてはやや気になる面も見られました。
しかし、毎試合スタメンを入れ替えても、ある一定の質以上のサッカーをする事が出来るなど、今までの日本では考えられなかった事です。それほどまでに、日本の選手層が厚くなり、またトルシエの戦術が浸透しているという事の現われでしょう。
●強敵の揃う、最終予選を見据えた場合、まだまだ修正すべき課題や、高めなければいけないポイントは沢山あるはず。それを、折り返しの日本ラウンドで期待したいところです。
五輪一次予選(日本ラウンド)(6月)
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9-0 |
ネパール五輪代表 |
(小野、明神、中村2、吉原2、 柳沢2、平瀬)
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4-0 |
マレーシア五輪代表 |
(中村、本山、平瀬、山下)
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2-0 |
香港五輪代表 |
(中村、平瀬)
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11-0 |
フィリピン五輪代表 |
(戸田、中田、市川、明神、 小野、中村2、本山、平瀬3)
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左の布陣が、シドニー五輪アジア一次予選日本ラウンドの日本の布陣です。
●この時期、日本はA代表がコパ・アメリカに参加。その為、香港ラウンドを全勝とほぼ最終予選進出を確定させた日本は、トルシエ監督もそちらを優先する為にパラグアイへと渡り、この日本ラウンドでは山本コーチが指揮を採りました。
●ここでも、日本は登録させた選手を全員起用。圧倒的な強さを見せました。
●香港ラウンドのメンバーからは、稲本、広山、南の3人が外れ、代わりに、遠藤、市川、都築が召集されましたが、都築は結局、帯同メンバーで終り試合には出ませんでした。
●GKには、最初の2試合には曽ヶ端が、後の2試合には小針が出場しました。やはり、4試合とも日本が圧倒的にボールを支配する試合だったので、大きな見せ場もありませんでした。
●DFの3バックも、香港ラウンドと同じ。宮本を中心にしたフラットな3バックで、左には中田、古賀、戸田、右には中沢、山口といった所が出場。また、宮本が出場しなかった香港戦では中央には山口が入りました。皆、ラインを保ちながらしっかりとしたDFを見せ、機があれば積極的に攻め上がるなど、機能していました。しかし、このラウンドでは相手が高くなかったという点も見逃してはいけません。
●ボランチには、五輪代表初出場の遠藤、香港ラウンドでも活躍した石井、また場合によっては明神や酒井もこのポジションに入りました。また、第4戦のフィリピン戦では、平瀬の1トップで遠藤と明神のドイス・ボランチの形も試しています。遠藤、石井は主に中盤の底でプレー。攻守の繋ぎというだけなく、チャンスとあらば攻め上がり、時には積極的にミドルシュートを放つなど、存在感を十分にアピールしていました。明神はやや高めの位置でのプレーが多かった様です。やはり中盤でバランスを取り、得点も決めるなどの活躍を見せていました。
●両アウトサイドには、左には本山、市川、中田といった選手を、右には酒井、明神、市川が起用されました。左の本山は、やはり得意のドリブル突破を再三披露。相手DF陣がそれほど強くなかった事もあり、それが更に際立ちました。得点も2点決めています。中田もこのポジションでも十分に通用する事を披露。またセンタリングの正確さなども光りました。市川は本来は右ききのプレーヤーだけに、このポジションはやや不向きかなという感じ。それでも、再三の突破からチャンスを作っていました。
●右サイドの酒井は、このポジションでのプレーも板に付いてきた感もあり、ポジショニング等も安定しており、攻守に存在感をアピール。また、明神もほぼ無難にプレー。市川も、こちらでのプレーの方がイキキした感じで、思いきりのいいプレーが見られました。
●攻撃的な中盤の位置には、W指令塔、中村と小野がほぼ定着した感じ。時折、明神が右の位置に入っていました。小野、中村ともに、全試合コンスタントな活躍を見せ、再三、好パスや自身も2列目から飛びだしシュートを決めるなど、このチームの核となっていました。しかし、第4戦のフィリピン戦で小野が、後方からのタックルを受けて負傷。全治3ヵ月という重傷で最終予選の出場が難しくなってしまいました。
●FWには、緒戦には柳沢と吉原の2人が先発。柳沢もようやくゴールを決め2人で4得点の活躍。
しかし、柳沢はこの後、規律違反を犯してしまいチームから強制送還。吉原も、急遽、コパ・アメリカのメンバーに登録された為にチームを離脱。チームのFWの選手が、平瀬と山下だけになってしまいました。その為、第4戦では中盤を厚くし、平瀬の1トップという布陣を敷きました。この形も思いの他、機能していました。
●全般的に、このラウンドも相手のレベルが高くなかった事もあり、日本は殆どボールを支配する展開。得点も量産しました。緒戦は攻撃の形が面白い様にハマり、9―0の大勝。しかし、柳沢がメンバーから外れたマレーシア戦では4―0。吉原が抜け、執拗に守られた香港戦では2―0で後半は無得点という内容でした。最後のフィリピン戦では、再び日本の攻撃が爆発するも、後半に小野が負傷退場というアクシデント。登録された選手全員が起用された事で、層の厚さを示した日本ですが,
小野は攻撃の要の選手だけに、その離脱は本当に痛いものがあります。せっかく、機能していた中盤だけに再構成を考えなければならなくなったのは厳しいです。
●しかし、能力の高い選手が揃っている事が改めて証明された今回の五輪代表。五輪予選突破の可能性は高いはず、今後の動向に注目していきたいです。
壮行試合
日韓戦(日本)(9月)
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4-1 |
韓国五輪代表 |
(遠藤、福田、平瀬2)
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前半

左の布陣が、壮行試合として日本で行われた、日韓戦の前半の日本の布陣です。
●この試合で特筆すべき事は、やはり何と言っても、この五輪チームに初めて中田(英)が加わった事です。小野の負傷によって、再構成を余儀なくされた中盤。果たして、どこまで機能するかが注目されました。
●また、この試合では3バックの右に、4月のワールドユースの時のメンバーだった辻本も初めて起用されています。
●日本は序盤、スピードのある韓国の左右からの揺さぶりにピンチを迎えますが、韓国攻撃陣の決定力不足もあり、またDFラインも酒井が下がり4バックを形成。徐々に守備が安定してきます。その時間帯を凌ぐと徐々に攻勢に。最初の内は中盤で動き回り、守備に攻撃にと走り回っていた中田英も、徐々にチャンスメークに力を入れられる様になります。
●韓国はボールのある方に片寄る傾向があったため、日本の選手は再三大きなサイドチェンジ見せ、チャンスを演出。どの選手もそれが出来ている辺りに、選手個々の能力の高さが感じられました。
●日本は、中田英に気を奪われすぎの韓国DFの裏を取れる様になり福田が先制弾。続いて、韓国のクリアミスを拾った平瀬が追加点と、いいリズムで試合を進め前半を折り返します。
●後半も日本は中田を中心に中盤を支配。ロングボール中心になってきた韓国の攻撃も、人数をかけて潰します。
後半終盤

●トルシエは後半、左サイドの中村に変わって初登場の平山、福田に代えて小島、右サイドの酒井に代えて明神、遠藤に代えて石井を投入します。また、平瀬に代えてやはり五輪チーム初登場の小笠原を入れ小島の1トップで中盤を厚くするという布陣も試します。
●出場時間は短かったものの、どの選手も自分の与えられた仕事をしっかりとこなそうとし、レギュラー争いの必死さが伝わって来ました。
●日本はその後も2点を追加し、終了間際に1点は返されるものの韓国相手に4―1と快勝しました。
●連携が心配されていた中田が、非常に機能していた事が非常に大きく、またメンバーも決してこのメンバーがベストとは言えなかったものの、韓国を圧倒出来たのは大きな自信に繋がりました。
●ただ、序盤の韓国の攻撃でもし失点をしていたらその後の流れは、どうなっていたかは解りません。まだまだ修正していかなければいけない点もあると思います。韓国は遠征等で強化されて来たとは言え、大学生のアマチュア主体のメンバー。そういった意味では、全員がプロの日本五輪代表チームにとっては勝たなければいけない相手でした。
●中田や小笠原が加わり、中盤の競争も激化して来ました。トルシエがこの豊富な選手達をどういった加減で使い分けていけるのか?これからもその手腕に注目です。
壮行試合
日韓戦(韓国)(9月)
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1-0 |
韓国五輪代表 |
(オウンゴール)
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左の布陣が、韓国で行われた、五輪最終予選壮行試合の日韓戦第2戦の日本の布陣です。
●韓国は最終予選の試合を1週間後に控えており、また、先日の日韓戦では日本に大敗しているだけに、ホームでだけは絶対に負けられないという姿勢でのぞんできました。
●日本の方は、中田(英)がセリエAの日程のためにおらず、中盤の上がり目の位置には小笠原が初スタメンで起用。FWの先発は平瀬と高原、左アウトサイドに中村、右に明神、中盤の底には稲本と遠藤のドイス・ボランチ、3バックは右に中沢、中央には曽ヶ端、左に中田(浩)と、この辺りはだいぶメンバーの顔触れが固定されてきた印象です。
●韓国は、やはり先日の時とは打って変わって序盤から積極的に日本に対しプレスをかけて執拗に来ます。1つ1つのプレーに、韓国の気持ちが伝わって来ました。その為、日本は序盤は韓国の突破から危うくなりかけるシーンを何度か迎えてしまいますが、相手のミスなどもあり、それをしのぎます。
●トルシエの戦術の生命線であるフラット3も、審判の曖昧な判定などで危うくなりかけるシーンもありましたが、すぐに次の対処行動に移るなど対応も早く、全般的には安定した守備を見せていました。
●中盤からの攻めに関しては、初先発の小笠原は、所どころで能力の高さを見せ、チャンスを作りかけはしましたが、韓国の執拗なチェックの前につぶされてしまう事も多く、十分には機能できていませんでした。初先発という事の影響もあったのかもしれません。
●左サイドの中村も、精一杯の運動量で走り回りチャンスを演出しかけますが、やはり、まだこのポジションは不慣れな印象。後半、小笠原に代わり中央のポジションに入った方が、得意の左足から何本かチャンスを演出するなど、存在をアピールしていました。
●右の明神も、だいぶこのポジションでのプレーは慣れてきた様で、攻守にバランス良く機能。決勝点のきっかけとなるセンタリングも、彼の積極的なチェックから生まれたものでした。また、中盤の底の遠藤、稲本の2人も攻守のバランスと繋ぎとして頑張っていました。
●FWはこの試合では4人が起用されましたが、それぞれが皆、一長一短。平瀬などは、決定的なシーンを迎えますが、相手GKの好守もあり無得点。高原や柳沢も前線での動きは良かったものの、決定的なチャンスには絡めず。福田は決勝点となるオウンゴールを誘発するプレーを見せるなど、積極的にゴールに向かう姿勢が見られました。この組み合わせは、もう少し試す必要がありそうです。
●GKの曽ヶ端もこの試合は、ポジショニングの良さや積極的な飛びだしなど、DFとの連携も良く、機能していました。
●試合の方は、韓国が東京での試合の時よりはボール支配率も上回り、積極的な攻めを展開してきましたが、中盤からの展開は少なく、どうしてもサイドからの攻撃が多くなり、単調な攻撃が目立ちました。日本は、その分では中盤でボールをキープでき、攻撃の繋ぎをしっかりしようと心がけたプレーが出来ていました。
●日本は、押され気味な場面であってもそこはしっかりと守り抜き、前半は0―0で折り返します。
●後半も、試合のペースはあまり変わらず。一進一退の状況が続きますが、中盤でボールをキープ出来る日本が徐々に試合のペースを握ります。トルシエは、後半には柳沢、福田、本山らを投入。攻めの姿勢を見せます。また、中村が中央に入った事で、城定が久々に起用されました。
●日本は後半半ば、韓国DFの中途半端なクリアミスを走り込んだ明神がそのままカットしてセンタリング。そこに走り込んだ、福田がボール押し込みそれが韓国DFに当たりゴール、アウェイの日本が先制します。結果的に、韓国のオウンゴールとなりましたが、明神や福田の攻めへの積極性が生んだゴールと言えるでしょう。
●試合は、このまま1―0で試合終了。日本はアウェイでも韓国に勝利し、韓国に2連勝しました。
●日本にとっても、五輪最終予選本番を控えて、アウェイでレベルの高い相手に無失点で勝利出来た事は大きいです。フラット3も安定して機能でき、選手の自信に繋がったはずです。
●本番の五輪最終予選に向けて、日本は良い準備が出来ていると言えるでしょう。
シドニー五輪最終予選
vs.カザフスタン戦(アウェイ)(10月)
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2-0 |
カザフスタン五輪代表 |
(中田(英)、稲本)
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左の布陣が、カザフスタンで行われた、シドニー五輪最終予選の第1戦、カザフスタン戦の日本の布陣です。
●トルシエは先発には、GK曽ヶ端、DFは宮本、中田(浩)、中沢の3バック、中盤は稲本、遠藤、中村、中田(英)、明神、FWは高原、平瀬の2トップと、ほぼ、これまで試してきた通りの形でのぞみました。
●会場のグランドは、草も揃っておらずその下の土もデコボコしているという事で、日本は持ち前のパスワークが十分に機能出来ず、日本はロングボール主体の攻めになりました。
●GK曽ヶ端は悪コンディションのグランドで、ボールのバウンドが狂ってしまう事に対し、気を使い非常に丁寧にプレー。そのプレーは非常に安定していました。DFのフラット3も、それほど危険なシーンはなく、安定した守りを見せていました。
●中盤も、グランドコンディションは悪かったものの、ロングボール主体の攻めになり、あまりドリブルなどに固執せずに大きな展開を見せる攻撃をします。ボランチの遠藤、稲本も、攻守の繋ぎ、特に守備の面では良く機能していました。 また中田(英)もロングボールが多いという事で積極的に前線へ攻め上がります。
●カザフスタンは、全体的には守備的な戦術を取り、日本がボールをキープした時には、1トップを前線に残す以外は、全員が自陣に残っていました。
●日本は、DFラインや中盤ではやや優勢にボールを確保でき、そこから攻撃を展開。前半24分に前線に上がったロングボールを高原がヘディングで落とし、走り込んだ中田(英)がそのまま持ち込み、ミドルシュート!これが、見事にゴール左隅に決まり、日本が先制します。
●しかし、カザフスタンもこれで崩れる事もなく、カウンターやサイドからの攻撃で反撃。日本の攻撃も必死の守備で防ぎ、前半は結局、1―0で折り返します。
●後半も、日本がやや有利に展開する内容は変わらず。攻撃に転じなくてはいけないカザフスタンは、攻撃的な選手を投入してきますが、日本の守備をなかなか崩せません。
●日本は、後半は小島、福田、本山といった攻撃的な選手を投入。追加点を狙いにいきます。決定的なチャンスは相次いで生まれましたが、相手GKの好守もありなかなか追加点が奪えません。
●それでも、後半41分、中田の右からのコーナーキックを稲本がダイレクトボレー、これが絶妙のループシュートとなりゴール。日本はアウェイで2点目を挙げます。試合は、このまま終了。
●日本は、緒戦のアウェイという厳しい環境で、2点を奪い無失点での勝利。十分に評価出来る結果です。悪コンディションの中でも、守備がしっかりと出来ていた事も、選手の自信に繋がったはずです。また、星取りも、この前の試合でカザフスタンとタイが引き分けている為に、これで断然有利になりました。
●第2、第3戦は、日本のホームで行われます。中田は、セリエAの日程のため出場は出来ませんが、今のチームには能力の高い選手が揃っているので、問題なく試合が出来るでしょう。期待したいところです。
シドニー五輪最終予選
vs.タイ戦(ホーム)(10月)
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3-1 |
タイ五輪代表 |
(平瀬2、高原)
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左の布陣が、日本で行われた五輪最終予選第2戦、タイ戦の日本の布陣です。
●日本は、前のカザフ戦からは、中盤で中田がコパ・イタリアの日程の関係で抜け中央に中村が、それに伴い、左サイドに本山が入りました。そして、2トップにもトルシエ監督は、高原と福田の2トップを先発起用。あとは、前の試合と同じメンバーでのぞみました。
●先発の2トップ、福田と高原ですが、福田の方がこの日は、タイの厚い守りの前に手を焼き、ロングボール中心の攻めにってからは、タイミングが合わず、効果的な動きが出来ていせんでした。高原の方は、質の高い動きで前半からチャンスに絡み、後半には1ゴールを決めます。
●中盤の中央でプレーした中村は、相手の執拗なマークにあいながらも、得意の左足で効果的なパスを何本も繰り出し、好リズムを演出。また、この試合では遠藤もプレスキッカーに指名され、セットプレーの時には精度の高いボールを供給していました。
●遠藤は、ボランチとしても、コンビを組む稲本と共に中盤を豊富な運動量でカバー。2人とも相手の攻撃の芽を摘み、チャンスとあらば攻撃にも積極的に攻め上がっていました。
●右サイドの明神も守備の方では、かなり安定したプレーを披露。左からの攻撃が多かった分、目立ちませんでしたが、攻守にしっかりと自分の役割をこなしました。
●左サイドの本山も、この日は自分から積極的にしかけるプレーが出来、1アシストの活躍。この試合では持ち味が出せていました。
●3バックも、この日は中沢がやや中途半端なフィードが多くプレーが雑だったのと、中田(浩)と本山との連携のミスから失点した場面以外は、大きな問題はありませんでした。しかし、こういった失点に結び付くミスは、接戦やもっとレベルの高い強敵との対戦の時には、決して許されません。
●GK曽ヶ端は、この日も積極的な飛びだしと安定したプレーを見せており、またキックの正確さも向上した印象を受けました。DFの連携ミスから1失点はしましたが、GKとしては致し方ないものです。
●前半、タイは必要以上にゴール前を固めるという様な事はなかったものの、全員が中盤から執拗なチェックをしかけてき、日本に思う様なパス回しをさせません。
●しかし、日本はそのタイの動きに慣れてくると、大きなサイドチェンジやロングボール中心に攻めに、攻撃を変化させ、徐々に試合のペースを握って行きます。
●セットプレーやサイドからの素早い攻撃で、再三のチャンスを迎える日本ですが、最後の場面で決める事が出来ず、結局は前半はタイの固いゴールをこじ開ける事が出来ずに、前半は0―0で折り返します。しかし、日本が優位に試合をすすめ、タイのDFがどうにか体を張って守備をしているという状態。後半のタイの疲労は予想出来る展開でした。
●後半、日本は福田に代えて平瀬を投入。これが当たります。平瀬は、後半開始早々の3分でコーナーキックからヘディングゴールを決め、日本先制。これで一気に波に乗ります。その後も、本山が相手陣内に深く切れ込んで出したセンタリングをダイレクトでボレーシュートし、2点目。平瀬は更に、中村の中盤からの見事なロングパスに反応し独走。トラップが逸れて少し外に流れてしまいましたが、敵陣深くから今度は走り込んだ高原にラストパス。これを高原がしっかりと決め、3点目。日本は試をほぼ手中にします。
●その後、日本は疲れの見えた、本山に代えて戸田を左サイドの位置で起用。不慣れなポジションながらも、戸田は柔軟にプレーをこなしていました。
●また、ラスト10分頃になって中村に代えて、このチームに急遽呼ばれた藤本を起用。藤本もチームに合流して間がなかったにも関わらず、スピードのあるドリブルや突破など個人の能力の高さを披露。面白い存在になりそうな予感を見せました。
●その後、DFの連携のミスから失点は喫しますが、それ以外には曽ヶ端の好守なもあり、大きなピンチもなく試合運びができ試合終了。日本は2連勝で勝ち点を6に伸ばしました。
●中田がいなくとも、中村や他の選手で十分に戦い抜く事が出来る今回の五輪代表チーム。メンバーはある程度固定されてきましたが、それでも、この状況下でも藤本などの新しい選手を試すトルシエ。本当に選手層が厚くなったと言えるでしょう。
●次のカザフvs.タイの試合で、両チームが引き分ければその時点で、日本のシドニー五輪本戦出場が決まります。そうでなくとも、日本は次のホームのカザフ戦に勝てばやはり出場決定。シドニー五輪出場がぐっと手元に近づいてきました。
シドニー五輪最終予選
vs.カザフスタン戦(ホーム)(11月)
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3-1 |
カザフスタン五輪代表 |
(中村、平瀬2)
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左の布陣が、日本で行われたシドニー五輪最終予選第3戦、日本vs.カザフスタンの日本の布陣です。
●日本は、この試合で引き分け以上であればアトランタ大会に続き、2大会連続での五輪本戦出場が決まるという事もあり、会場の国立競技場には5万5千を越える観衆が早くから詰めかけていました。
●日本は、この試合の為に再び中田(英)を召集。アウェイのカザフスタン戦時とほぼ同じ、GK曽ヶ端、DF宮本、中田(浩)、中沢、MF稲本、遠藤、中村、明神、中田(英)、FW平瀬、福田というスタメンでのぞみます。
●勝たなければいけないカザフスタンも3トップの攻撃的な布陣で積極的に責めてきました。
●GK曽ヶ端も、安定した守備でゴールを守りました。プレーに安定感が出てきていました。
●DFのフラット3も、宮本はDFラインの統率、セットプレーからマークがズレて1失点はしましたが、全体的には及第点の出来。中田(浩)も左サイドで、チャンスとあれば積極的に上がったり、DFのカバーに目を光らせるなど、存在感のある働きを見せました。ただ、中沢はヘディングの強さは見せてくれたものの、フィードの悪さがやや気になりました。
●ボランチの遠藤と稲本がこの日はやや不調。DFと中盤との連携が悪く、パスの精度も好調時に比べるといま一つで、守備で相手にチャンスを与えてしまいかける場面もありました。
●また、中田(英)もやや過密日程の影響か体が重そうに見える場面もありましたが、それでも当たられても倒れないドリブル突破や効果的なパスを演出するなど、見せ場を作っていました。また、DFラインまで全速力で戻り、相手を潰すなどチーム全体を鼓舞するかの様に走り回り、存在感をアピール。会場を再三、沸かせていました。
●右の明神は攻撃の場面ではあまり出番はありませんでしたが、それでも1〜2回、右から効果的な上がりでチャンスを演出。ゴール前では決定的なシーンにも絡むなど、好調を維持していました。
●左の中村も、やや中に入ってしまう傾向はりましたが、その分は中田(浩)や中田(英)が良くカバーに入っていたので、崩れる事もなく、左足から精度の高いボールを供給。また、ドリブル突破などの個人技も見せていました。
●FWの平瀬、福田も相手の激しいマークに会いながらも、前線で何とかチャンスをポストプレーなどで作ろうとしていましたが、前半は効果的な動きはなかなか出来ませんでした。
●日本は、中盤から積極的にしかけてくるカザフスタンに苦戦。中村や中田(英)チャンスは生まれるものの、カザフスタンのGKやDFの堅い守備がなかなか崩せません。逆に、長身の選手を揃え、前回アウェイの対戦の時から中盤をベストメンバーに変えて来たカザフスタンは、中盤でも日本に主導権をなかなか与えずに、日本は何度かピンチを迎えます。
●前半30分、日本ゴール右サイドのFKから日本はヘディングを合わせられてしまい失点。この五輪予選で、初めて相手にリードを許してしまいます。
●日本は、調子の良くなかった遠藤に代えて酒井を投入。明神をボランチの位置に回し、酒井自身は右サイドに入ります。酒井は、豊富な運動量でボールのある所に良く顔を出し攻守に効果的な動きを見せていました。明神もボランチの位置も、いいポジショニングとパスを見せていました。
●しかし、日本は惜しい所で点が奪えず、結局、前半は0―1で折り返します。
●後半、日本は福田に代えて本山を投入。本山は左サイドに入り、中盤の中央に中村が入り中田(英)をFWの位置に上げます。
●これで、日本は攻撃のリズムが良くなって来ます。前線でも中田(英)は、ボールキープやチャンスメーク。また、中村も自身が得意としているポジションに入った事で、左足でチャンスを演出します。日本チーム全体の動きがアグレッシブになって来ました。
●更に日本は攻撃的にする為に、稲本に代えて高原を投入。高原はFWの2トップの一角に入り、再び中田(英)が中盤の真ん中に、そしてそれに伴い、中村がボランチの位置に下がります。
●その直後の後半25分、日本は中村が左サイドに上がる中田(英)にパス。それを中田は絶妙のタイミングでセンタリング。そこに走り込んだ平瀬がカザフスタンDFと競り合いながらもヘディングシュート。これが決まり、日本は同点の追い付きます。カザフスタンはこれで動きがガタッと落ち、逆に日本は勢いに乗ります。
●日本は、局面局面でも選手が積極的に1対1をしかけて突破をはかりチャンスを演出。日本は試合の主導権を握ります。
●日本は終了間際の後半41分にも、中村の好パスを浮けた平瀬がそのまま持ち込みシュートを決め2点目。更には、44分にもカザフスタンゴール前の絶好の位置から中村が左足で見事なFKを決めて、3点目。カザフスタンを一気に突き放します。
●このまま試合は終了。日本は3―1でカザフスタンを降し、その結果、2大会連続6度目の五輪出場権を手中に収めました。
●能力の高い選手が揃っている事から、本大会出場はある意味で確実視されていた、今回の五輪代表チーム。選手達は、その期待に見事に応えてくれました。このチームは、試合を重ねる度に強くなって来て、選手個々もどんどんレベルアップしているという印象を浮けます。
●これは、このチームを指揮しているトルシエの手腕による所が大きいのは、認めざるを得ないところでしょう。これだけ豊富なタレントを、ちゃんと使いこなして結果を出す手腕は見事です。
●最終予選も、まだ1試合アウェイのタイ戦が残っています。来年のシドニー五輪本戦こそが本当の意味での本番です。あくまで五輪代表内のカテゴリーでではありますが、この先も日本チームには期待出来ると言えるでしょう。
●おめでとう!日本シドニー五輪代表!!
シドニー五輪最終予選
vs.タイ戦(アウェイ)(11月)
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6-0 |
タイ五輪代表 |
(市川、明神、藤本、 平瀬2、小島)
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左の布陣が、五輪最終予選タイ戦の布陣です。
●トルシエは、GKに最終予選で初めて南を起用。また、3バックの左に戸田、ボランチに中田(浩)、2トップには小島を先発起用する等、これまでと少しメンバーをいじってきました。
●2トップの平瀬はこの日も、こぼれ球が自分の所に来るなど幸運な形でしたが2得点の活躍。多いに成長の後を見せました。また、小島もスピードのある突破から前半終盤にゴールを決め、起用された期待に応えました。
●中盤の中村も、雨でコンディションの悪いグランドでも、精度の高いパスを疲労。攻撃の中心として多いに機能していました。
●右の明神も、このポジションでのプレーも板に付いてきた印象。攻守のバランス良く、正確なキック力など機能していました。
●左の本山も、果敢に1対1をしかけるなど積極的なプレーを披露。存在感示していました。
●ボランチでは、稲本と中田浩という初めての組み合わせでしたが、タイの中盤がそれほど強くなかったこともあり、無難な出来でした。
●3バックもこの日も無失点でしたが、ピッチが悪かった事もありフィードが相手に渡ってしまったり、ルーズボールからピンチになりかけるなどの場面もありました。この辺りは、強豪を相手した時までに修正しなくてはいけない点です。
●GK南は、大きなピンチはなかった事もあり安定した無難なプレーでした。
●日本は、前半から中盤で優位にボールを支配します。時折、タイのカウンターから危ないシーンはありましたが、最初の20分の内に平瀬がやや幸運な形ではありましたが2ゴール。更に、終了間際には平瀬の切れ込みから、最後は小島がゴールを決め前半で試合を決めました。
●後半、トルシエは市川と初選出の北嶋を投入。更には後半途中では、左サイドで藤本を投入。これは、いずれもテストの意味合いの強いものでした。
●市川も積極的な上がりと切れ込みを見せ、後半にはゴールを、藤本も試合終了間際に素早い切れ込みから自身で持ち込んでシュートを決め、結果を残しました。初出場の北嶋は、やはり周囲と連携の面なども十分ではなかったのか、再三のチャンスを迎えますが、ノーゴールに終わりました。
●日本は、後半も圧倒的に試合を支配。タイは2人の退場者を出してしまう等自滅。日本は、セットプレーをきっかけに明神、市川、藤本がゴールを決め6―0と圧倒し試合終了。日本は一次予選から通じて、実に12戦全勝という結果で、シドニー五輪アジア予選を終えました。
●確かに、この結果は日本の選手の能力の高さ、チームとしての完成度の高さの現れではありますが、それでも対戦相手の組み合わせに恵まれたという面は、決して無視出来ません。仮にも最終予選であるこの試合で、6―0という結果が出てしまった事にもそれが現れています。
●強豪が集う、シドニー五輪本戦を考えた場合は、もっとチーム力を向上させ、選手個々もレベルアップしていく必要があるでしょう。
●しかし、今回の日本五輪代表チームは過去に例を見ないくらい、好選手が揃う最強チームであるという事は疑う余地はありません。五輪本番でも結果を出せる可能性は多いにあります。更なる成長を期待し、シドニー五輪、そして更にその先までも見据えてチームを強化して行って欲しいものです。
●A代表では結果が出せていませんが、この世代ではしっかりと内容も結果も出したトルシエ。その手腕に、もうしばらく注目して行きたいと思います。
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