トルシエジャパンの布陣2
1999年
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親善試合(ブラジル戦)(3月)
キリンカップ(6月)
コパ・アメリカ(6〜7月)
親善試合(イラン戦)(9月)
親善試合
(ブラジル戦)(3月)
日本 0―2
この時の出場選手の平均年齢25.78歳
左の布陣が、国立で行われたブラジルとの親善試合の日本代表の布陣です。
●トルシエは、この試合のGKに国際Aマッチ初出場の下田を起用。3バックには、井原、斉藤、秋田、左のウイングバックに相馬、右には先発は初めての伊東、ボランチには久々の代表復帰の田坂と名波、中盤の上がり目に中田、FWは中山と城の2トップの3-5-2の布陣を敷きました。
●GK下田は、初代表という事もありやや動きは固そうな場面も見られ、後半にはポジショニングが悪かったり、フィードが不安定な場面もあり、2失点は喫しましたが、終盤好セーブを見せた場面もあり、全体的に見ればまずまずの動きでした。
●DFの3バックは、秋田はヘディングの強さと1対1の強さ、斉藤はカバーリングの良さを見せていました。しかし、この試合では井原は調子が悪かったのか、ブラジル相手に抜かれてしまったり、クリアボールが相手に渡ってしまったりと、やや精彩を欠き、後半途中で初代表の森岡と交代しました。
森岡は、出場時間は短かったものの、ポジショニングの良さやカバーリング等、無難な出来でこの試合に関しては井原と何ら遜色はない印象を受けました。
●左のウイングの相馬は、対面にカフーがいたためもあり、なかなか攻め上がりのチャンスも作れず、持ち味が十分に発揮出来ませんでした。また、センタリングの精度もあまり正確ではありませんでした。
右のウイングに起用された伊東は、持ち前の運動量で攻め上がり、左サイドよりは何度かチャンスを作りかける場面はありましたが、伊東自身がこのポジションに不慣れだったせいもあってか、攻め上がりのタイミングやセンタリング等で、十分な活躍が出来たとは言えませんでした。それでも、中田との連携で、攻めの形が出来欠けていたり、守備の面ではまずまずの出来でした。
●ボランチとして起用された、田坂は守備面では持ち前の読みの良さで、再三、相手の攻撃の芽を摘もうと動き回り守備面では効果的な働きを見せていました。しかし、そこから先、前線へのフィードやパス回しなどでミスが見られました。もう少し、この位置からでも展開力が欲しい所でした。
名波は、この日はパス出しにしてもポショニングにしても調子が良くありませんでした。ブラジルの1点目のシーンも、ボールを受けた名波の判断が遅れ、ボールを持ちすぎた所をアモローゾに取られての失点でした。やはり、ボランチは中盤の大事なポジション。このポジションが如何に大事かという事を痛感させられました。
●中盤の上がり目でプレーした中田は、さすがと思わせるパスワークや個人技は何度も見せるものの、周囲との連携やフォローが不完全で、またブラジルの激しいマークもあり、孤立してしまう場面が多kう見られました。決定的なチャンスを外してしまう等、本人のコンディションも決して万全ではなかった様です。
●FWの城、中山も持ち前の運動量で走り回りますが、城はボール受けても球離れが遅く、ポジショニングも悪く相手にボールを奪われていまう場面が多く、後半には呂比須と交代。
中山も惜しいシュートチャンスはありましたが全体的な出来はブラジルDFに抑え込まれてしまい、終盤、柳沢と交代しました。
交代した呂比須は、個人技の高さとボールキープ力を発揮。自身もチャンスメーカとしてもプレー出来るなど、やはりFWとして能力の高い所を見せていました。柳沢の方は、プレー時間がわずか7〜8分という事もあり、ほとんどチャンスらしいチャンスもなく終ってしまいました。この2人のプレーはもっと見たかったです。
●日本は、前半、アモローゾにドリブル突破を許し、そのまま独走からシュートを打たれ先制されてしまい、後半はコーナーキックからGKのポジショニングとDFとの連携のミスでヘディングシュートを決められ2失点。日本の方は、左右のサイドアタックから何度かチャンスを作りかけますが最後の決定的なシーンを作るまでには至らず、結局、そのまま試合終了。ブラジルとの力の差がそのまま出てしまった試合でした。
●この試合、強敵ブラジル相手に初代表の下田を起用したり、本来はボランチの伊東を右サイドでプレーされたりと、トルシエの采配にはやや疑問が残りました。
それでも、時折見せる攻撃や、個人的な能力の高いブラジル相手にも、守備面では通用していた部分も多く感じられたので、ベストメンバーではなかったとは言え、力の差は縮まって来ている様に感じられる試合でした。
●やり方次第では、もう少しは出来たかもという印象はありましたが、言ってしまうと「普通にやって普通に負けた」という印象が残る試合でした。
キリンカップ(6月)
日本 0―0 ベルギー
日本 0―0 ペルー
この時の出場選手の平均年齢25.29歳
左の布陣が、キリンカップの第1戦、対ベルギー戦の日本の布陣です。
●トルシエ監督は、この試合、FWに呂比須を1人置き、中田、藤田を2列目に配する、どちらかというと3-6-1に近い形のシステムを敷きました。
●GKは川口、DFには左に秋田、中央に森岡、右に斉藤のバック、井原はスタメンから漏れました。中盤は、ボランチの位置に名波と田坂、右に伊東、左に相馬、上がり目の位置に中田と藤田、そしてFWに呂比須でした。
●GK川口は、全体的に良い出来。飛びだしで時折、不安定になりかける場面もありましたが、守備範囲の広さ、キックの正確性やフィードの速さなど、一日の長があるところを見せていました。
●DFの3バックも、この試合ではラインコントロールも出来ており、まずまずの印象を受けました。ただ、1対1などの場面で抜かれてしまったり、後半は何回かピンチを迎えてしまう場面もありました。
●中盤では、名波、中田からは何本か良いパスが出されていました。特に中田は、ボディコンタクトの強さ、視野の広さなどはさすがで、好パスで再三スタジアムを湧かせていました。
●しかし、田坂は守備は堅実なものの、ボールを奪った後の展開が悪く、右サイドの伊東も、ブラジル戦よりは幾分出来は良かったとは思いましたがポジショニング等の面で、やや不安定でした。左サイドの相馬は、持ち前の果敢な攻め上がりでチャンスを作るものの、1対1の場面やセンタリングの精度の場面などでは、精彩を欠きました。
●FWに1トップして入った呂比須は、持ち前の個人技の高さとキープ力で、再三、日本の攻撃の際には攻めの軸になっていましたが、2列目からのフォローや連携が悪く、流れの中での決定的なチャンスはあまりありませんでした。
●日本は、組織的なチェックでボールを奪うものの、中盤の狭い所で細かくパスを繋ごうとして取られたりする場面が多く、中田や名波のロングフィードも、選手間で意図が合わず繋がらない場面も見られました。結局、前半は0―0で折り返します。
●日本は後半になり、田坂に代えて服部をボランチの位置に起用します。服部は、持ち前のスピードで守備に貢献し、何度か日本の攻撃時には攻め上がりチャンスにも絡んでいましたが、全体のチームとしての展開などはあまり変りませんでした。
●更にはトルシエは、藤田に代えて柳沢を投入。呂比須と2トップを組ませます。柳沢は中盤との連携は決して十分ではないながらも、相手をかわす動き、自ら切れ込んで行く動きなどで、チャンスを招き動きの質の高さを示していました。
●日本は更に、試合終了間際に呂比須に代えて奥を投入します。この投入の意図は良くわかりませんでしたが、奥は数回、持ち前の突破力の片鱗は見せたものの、いかんせん時間がなくそのまま試合終了。結局、ベルギー戦は0―0でした。
●全体的なペースは、ほぼ五分という印象でしたが後半は上背のあるベルギーの選手の前に、押し込まれてしまう場面もあり、決して攻守共に満足の出来る試合ではありませんでした。
ペルー戦
左の布陣がキリンカップ、ペルー戦の日本の布陣です。
●トルシエは、前の試合とメンバーのシステムを一新。GKには楢崎、DFは左に服部、中央に森岡、右に秋田の3バック、中盤はボランチの位置に伊東と名波、左サイドに相馬、右には藤田を起用。中央の上がり目に中田を置き、呂比須と柳沢の2トップという、攻撃を重視している様な印象を受ける布陣を敷きました。
●GK楢崎は、この日は十分な出来。ポジショニングの良さ、再三の好セーブで日本のピンチを救うなど、能力が高い所を十分にアピールしていました。
●DFの3バックも、この日は無難な出来。後半は、個人技とスピードのあるペルーの選手に攻め込まれていましたが、ペルーの方のミスもあり何とか無失点で抑えました。
●中盤も、中田、名波を起点に、ペルー陣内に攻めいりますが、意図が合わず繋がらなかったり、厚いペルーDFの前に、決定的な場面を生むには至らず、孤立してしまう場合も見られました。
●左サイドの相馬も、再三の突破を見せますが、やはり囲まれてしまうとどうしようもないといった感じ。右サイドの藤田も、不慣れなポジションながら、何度かいいボールは上げていましたが、やはり90分不完全燃焼だった印象を受けました。本来のポジションに伊東は、ベルギー戦よりはいい動きでしたが、まだ周囲との連回がイマイチでした。
●FWの呂比須と柳沢の2トップはも、中盤から良い形でボールがなかなか来ない為に、孤立してしまう場面が多く、自身がボール受けてもフォローがなく、あまりチャンスには絡めませんでした。
●試合は、ベルギー戦よりは攻めがアグレッシブになるも0―0で終了。日本は後半、名波を下げてしまい斉藤を投入。服部は左のボランチに入りました。2人とも守備に関しては特に大きな問題もなくプレーしました。
●更には、トルシエは右サイドの藤田に代えて、Aマット初出場の三浦淳を投入しまうす。三浦は果敢に自分から突破をしかけるなど、持ち味を出そうと頑張ってはいましたが、普段の左サイドとは逆のポジションに戸惑いがあった様でした。
●また、トルシエはベルギー戦同様、終盤になって奥を呂比須に代えて投入しますが、やはり、奥は時間が少なかった為に、持ち味も出せないまま終ってしまいました。
●日本は、終盤、暑さで疲れた事もあり、ペルーに押され気味になる場面が目立ちましたが、楢崎の再三の好セーブなどでなんとか無失点に抑えました。しかし、攻めての方は結局、何も打開できず、結局0―0で試合終了。日本は、2分、総得点の関係で最下位に終ってしまいました。
●守備面に関しては、かなり形が出来ているものの、攻撃面は個人技頼み、中田や名波のひらめき、呂比須や柳沢の個人技、それ以外はサイドからのセンタリングくらいしか、攻めの形が作れませんでした。まだA代表の試合は4試合しか行っていないトルシエジャパン。これだけでトルシエを十分に判断する訳には行きませんが、トルシエの戦術にはまだ十分に理解できない分があるのは確かです。
コパ・アメリカ(6月)
日本 2―3
(三浦淳、呂比須)
日本 0―4
日本 1―1 ボリビア
(呂比須)
この時の出場選手の平均年齢25.38歳
左の布陣が、日本が招待されパラグアイで行われたコパ・アメリカの際の日本の布陣です。
●この大会で、トルシエは実に21人のメンバーを起用。その為、毎試合スタメンも異なりました。
●GKはペルー戦とボリビア戦には楢崎が、パラグアイ戦には川口がゴールマウスを守りました。この大会、楢崎は度重なるピンチに再三、素早い反応で好セーブを見せ、川口はこの大会ではやや不調。ポジショニング等も悪く、安定感にも欠け4失点を喫してしまいました。
●DFは3バック。中央にはペルー戦とボリビア戦の時には井原が、パラグアイ戦では森岡が入り、左右には左は3試合とも秋田が、左には斉藤と森岡が入りました。この試合では、井原が入った時は井原がやや自身が余る形を取っていました。カバーリング等で、相手の攻撃を再三つぶそうと頑張っていましたが、ややスピード面や1対1の局面でやや不満が残りました。森岡が中央に入った時は、森岡はラインを保つ事に懸命でしたが、再三、裏を取られてしまうなど、十分に機能できませんでした。左の秋田は、やはり強さを見せていましたが、右の斉藤はやや不調。森岡もポジショニングの良さは見せましたが、やはり十分ではありませんでした。
●ボランチは、伊東が3試合フル出場。また場合によっては、田坂や福西がコンビを組み、ドイス・ボランチの様な形になる事もありました。伊東は豊富な運動量と持ち前のドリブルなども見せ、トルシエの信頼を多いに得た様でしたが、福西は怪我の為十分にプレー出来ず、田坂も途中交代させられてしまうなど、中盤の攻守の繋ぎという役目に関しては、十分ではない印象でした。トルシエの評価もあまり高くなかった様です。
●ウイングバックには、左には2試合に服部、1試合に相馬、右は望月、伊東、安藤が起用されました。服部は、中盤との連携もまずまずで時折、突破を見せたり3バックの一角に入ってプレーもするなど、ユーティリティプレーヤーとして能力の高さを発揮。一方の相馬は、名波とのコンビで再三の突破を計ろうとするも、1対1で勝負出来ずに横にはたいてしまったり、センタリングも精度が良くないなど、この大会でも機能出来ていませんでした。
●右の望月は不慣れなポジションながらも、中にポジションが入らない様にサイドでのプレーを心がけ、鼻骨を負傷しながらもプレーするなどファイトを見せていました。安藤は、国際Aマッチデビュー。相手が地元パラグアイという事もあり、少し動きに固さも見られましたが、まずまずの出来。伊東は、右サイドでは緒戦だけの起用でしたが、このポジションでは無難な出来でした。
●中盤の攻撃的な位置には、名波、三浦淳、藤田、奥といった選手が起用されました。名波は、移籍先のベネチアから直接、パラグアイに合流した為か、ややプレーに精彩を欠いていました。しかし、それでもFKから呂比須のゴールを演出するなど、キックの精度の高さは健在でした。ただ、ややポジショニングなどの面で効果的には機能出来ていない印象でした。
●三浦淳は、いずれの試合も途中からの交代出場。当初は、ボランチの位置でのプレーを要求されていた様でしたが、上がり目のポジションでプレー。ペルー戦では、ゴール前からFKを直接叩き込むなどの活躍。ただ、中盤で機能していたかと言うと、決してそうは言い切れませんでした。
●藤田も、この大会、右の上がり目でプレー。攻撃のチャンスに絡むプレーが期待されていましたが、相手の速いプレッシャーの前にやや精彩を欠き、2列目からの飛びだしなどで、時折、顔は出すもののやはり印象に残るプレーはあまりありませんでした。
●奥は、FWや中盤の位置でいずれも交代出場でプレー。得意のドリブル突破の片鱗を見せ、ボリビア戦ではPKを得る動きを見せるなど、ある程度、期待に沿った働きは出来ている様でしたが、まだ本来の動きではないかなという印象でした。
●FWは、呂比須を軸に、そのコンビに城、中山の怪我で急遽召集された吉原、そして岡野がプレーしました。呂比須はこの大会では、やはり能力の高さを披露。ポストプレーもこなし、自身も積極的にシュートを放つなど、文句なしに1番の活躍を見せていました。城もペルー戦では、球さばきなどのポストプレーを頑張っていましたが、やはり球離れが遅く、シュートが枠に飛ぶシーンもあまりありませんでした。吉原は、パラグアイ戦の十数分のプレーだけだった為、特に印象に残る様なプレーもなく、前線で孤立してしまていた様な感じでした。岡野は、ボリビア戦で先発。久々の代表戦でしたが、コンディションの悪いピッチの前に、持ち前の快速も活かす事が出来ず、いい形でボールももらえない為、やはり効果的なプレーは出来ずに終ってしまいました。
●日本は、緒戦のペルー戦ではエリア右のエリアからの名波のFKを呂比須が頭で流し込み先制。しかし、その後、日本は守ろうとする意識が強すぎたのか、全体的に極端に引いてしまい、ペルーの猛攻を受けてしまいます。ラインの裏を突かれるシーンが目立ち、楢崎が再三のファインセーブを見せるも、2失点を喫してしまいます。その後、日本は交代で入った三浦淳がFKを直接、叩き込み代表初ゴールを決め同点としますが、その後、再びサイドを破られそこから失点。前半序盤はリズム良く攻めていたのに、極端に引いてしまってからは猛攻を受けてしまったという、もう少しどうにかなったのでは?という内容で敗れてしまいました。
●次のパラグアイ戦は、相手が地元という事もあり勢いに乗った攻めを見せ、日本は組織の連携も悪く川口の安定感が欠けていた事もあり、4―0で敗戦。森岡を中心とした3バックもラインを保つ事に専念しすぎで、再三、裏を取られたり、中盤で相手をフリーにしてしまうなどの場面が見られました。
●3戦目のボリビア戦は、全体的にはやはり個人技でまさるボリビアのペースではありましたが、日本は2戦目よりは集中した守りを見せていました。しかし、相手をファウルで止めるシーンが多くなり、後半早々ゴール前のFKを決められ先制されてしまいます。その後、日本は押されながらも奥、城といった選手を投入し、何とか攻勢に転じようとします。徐々にですが日本にもチャンスが生まれかけ、遂に奥がドリブル突破を試みた所をペナルティエリア内で倒されPKを得ます。それを呂比須がしっかりと決め同点に。その後も、伊東や望月がドリブル突破から惜しいシュートを放ちますが、井原が遅延行為から2枚目の警告を受け退場。その後は、ボリビアが攻めに転じる場面も多かったものの、どうにか守り切り、そのまま試合終了。結局、引き分けに終りました。
●この大会は、W杯に次ぐ大きな規模の大会。日本にとっては真剣勝負が出来る、またとない絶好の機会のはずでした。しかし、日本は3試合で2敗1分。トルシエ監督は21人もの選手を起用し、毎試合スタメンも変えるなど戦い方も一貫してはいませんでした。日程が五輪一次予選と重なっていた為に、五輪代表のメンバーは呼べなかったり、中田が不参加であったりと、メンバーも決してベストではありませんでした。トルシエ監督は「準備不足」だったと語りましたが、それは事前から解っていた事です。
●選手もトルシエの支持を遵守しようとしすぎる余り、本来の動きが出来なかったり、逆にあまりに個人のプレーに固執してしまい、チームとして十分機能出来てはいませんでした。
●やるだけの事をやって敗れたフランスW杯の時よりも、この大会の日本は戦術においても、集中力においても足りませんでした。不完全燃焼と形容できるでしょう。確かに、色々と収穫はあった大会でしたが、もっと本来は得るものが沢山あったはずだと思います。せっかくのアウェイでの真剣勝負の場を、十分に日本チームにプラスに出来なかったのは残念でなりません。
●世代交代の必要性を示唆したトルシエ監督。確かに、その指摘も間違いではないと思いますが、それだけではないはずです。
親善試合
(イラン戦)(9月)
日本 1―1 イラン
(奥)
この時の出場選手の平均年齢24.81歳
左の布陣が、横浜国際で行われた親善試合のイラン戦の日本の布陣です。
●日本は、GKに川口、DFは秋田、森岡、そして五輪から昇格してきたAマッチ初出場の中沢の3バック。MFは、ボランチに福西、左に相馬、右に伊東、上がり目の位置には奥と三浦淳、2トップは呂比須と城という組み合わせでした。
●GKの川口はキャッチングなどは安定感がありましたがイランの同点ゴールの際に、ボールをキャッチしてエリア外に出てしまうと失態。プレーに波がありました。
●DFラインは、森岡を中心にある程度のまとまりは見せていましたが、ラインが下がってしまう場面もあり、またイランに裏を突かれるなど決して十分ではありませんでした。初登場だった中沢も、この日は動きが固かったです。
●中盤は、この試合には名波、中田といったゲームメーカー的な選手がいなかった為に、攻めの組み立てが心配されましたが、選手達は速いパス回しを心がけていた様で、また何回かサイドチェンジを試みるなど、それなりの試合運びをしようという意図は見えてきましたが、やはりボールを出せる選手がいなかった為に、効果的な攻撃はなかなか生まれませんでした。左右のウイングバックも、積極的に勝負もしかけないで横にはたいてしまう場面が多く、やじはりチャンスが生まれそうな気配はありませんでした。
●FWの城と呂比須も、この日は動きがやや悪くボールをキープできずに潰されてしまうシーンが多く見られました。呂比須や奥も、個人能力の高さで1人はかわせますがそこから先に行けませんでした。
●それでも、前半、日本はコーナーキックのこぼれ球を、奥がミドルレンジからシュートし、それがイランDFの足に当たって入るという幸運な形で先制ゴールを挙げます。
●しかし、その後はお互いに中盤で潰し合う展開。どちらかというと試合はイランペースで日本はイランの速くてうまいボール捌きに苦戦しますが、どうにか無失点で前半を終了。
●後半、トルシエは、福西、秋田、呂比須に代えて、柳沢、服部、5年ぶりにAマッチ出場の沢登といっぱんに選手を3人代えて後半にのぞみます。その為、中盤の底に伊東が。右サイドの位置に三浦淳が入りました。更には、城に代えて久保も投入。終盤には森岡が怪我の為に中西を入れ森岡の位置には服部が入りました。
●久保や沢登、柳沢が入った事で少し攻めが良くなりました。沢登からある程度正確なキックが出されており、また久保なども思いきったシュートを放つなど、前半よりは形になっていました。
●しかし、イランもエースのアリ・ダエイを中心に思い切りのいいプレーで再三日本ゴールをおびやかします。日本は、川口のエリア外でのキャッチングによるハンドの反則からゴール正面でFKを与えてしまい、そこからダエイに強烈なシュートを決められ同点にされてしまいます。
●その後は、お互いにやはり潰し合いの展開。結局、試合は1―1の引き分けに終わりました。
●この試合は、五輪代表の選手もおらずまた名波も出場を辞退するなど、最初からベストメンバーではなく言い訳は用意されていました。五輪代表やユース代表では結果の出せているトルシエも、肝心のA代表では結局、今年1勝も出来ませんでした。
●確かに、今の日本代表は世代交代の過渡期なのかもしれません。しかし、だからと言って現状の日本代表のメンバーをないがしろにしていい訳もなく、本当に最善を尽くしているのかと言われると、懐疑的にならざるを得ません。
●この試合の観衆は35000人。この日の前日に行われた五輪代表の試合よりも少ない人数でした。この時期に、この試合自体を開催した意味も、正直、不明な点が多いです。
●本当にA代表の監督がこのままトルシエで良いものかどうか、もう少し時間を置いてみないと、まだ何とも言えません。
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