2001年トルシエジャパン
トルシエジャパンの布陣6
2002年
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親善試合(3月)
親善試合(4月)
キリンカップ’02(4〜5月)
欧州遠征(5月)
親善試合(5月)
ワールドカップ’2002(6月)
親善試合(3月)
1―0 ウクライナ
(戸田)
2―0 ポーランド
(中田(英)、高原)
この時期の出場選手の平均年齢 25.09歳
ウクライナ戦
左の布陣が、W杯イヤーの日本の初戦となった、長居で行われた、対ウクライナ戦の日本の布陣です。
●日本はGKに楢崎、DFは森岡が負傷のため不在で、中央に宮本、左に中田(浩)、右に松田、中盤は守備的な位置に戸田と福西、左サイドには、日本人に帰化し、初代表の三都主が。また、右サイドにはトルシエ監督の元では始めての国際Aマッチとなる市川を置きました。トップ下には森島、2トップは西沢と柳沢というメンバーでした。
●楢崎は久々の代表のゴールマウスでしたが、安定した守備を疲労。素早い反応も健在で、正GK争いへ存在感をアピールしていました。DFの3バックは、この試合では無失点だったものの、サイドや裏を突かれるシーンもあり、もう少し安定感が欲しいところでした。中盤の底の戸田、福西も献身的な守備と、機を見ての攻め上がりで中盤で多いに機能。存在を示していました。
●左の三都主、右の市川ともに、持ち前の突破で何度か会場が湧く場面はありましたが、まだ持ち味を十分に発揮したとまでは言い切れず。それでも、サイドからの果敢な攻撃は可能性を感じさせるプレーでした。トップ下の森島、前線の柳沢は攻撃に関しては、裏を取る動きでチャンスを演出。守備でも貢献していました。西沢もボールキープ力や身体の強さで存在感をアピール。シュートも惜しいのが何本かはありましたが、十分には生きていない印象でした。
●日本は前半から中盤でボールを回すことが出来、守備も組織的なチェックでウクライナを相手に優位に試合を進めます。
●ウクライナは国内組が中心のメンバー編成でしたが、前線以外のメンバーはほぼベストの布陣でした。日本からボールを奪うと、素早い速攻を見せ、日本の3バックの裏や間を突き、日本も危ないシーンが何度かありました。相手のミスや楢崎のファインセーブに助けられて事なきを得たものの、決定力のある相手だった場合は、失点している可能性もあるので、この辺りはしっかりと修正しなければいけない印象を受けました。
●前半、24分、日本は右のコーナーキックの場面。ショートコーナーから三都主がボールを中にいれ、それを逆サイドの中田(浩)がヘッドで折り返し、その後、混線になりますが、最後は柳沢の丁寧な折り返しのボールを、戸田がインステップで確実に決めゴール。戸田自身もAマッチ初ゴールで日本が先制します。
●日本はその後も、優位に試合をすすめ、西沢や柳沢が惜しいシーンを迎えますが、なかなか追加点が奪えません。
●前半は1-0のリードで折り返し後半へ。日本は左サイドに三都主に代えて中村、西沢に代えて鈴木を投入します。更には、後半途中にはトップ下にAマッチ初出場の小笠原、高原、明神、波戸など次々に選手を交代させますが、どの選手もこの試合では持ち前のプレーを発揮。トルシエ監督の期待に応えていました。
●中村は、広い視野で再三のサイドチェンジでチャンスを作り、また正確なクロスボールは大きな武器でした。市川とのグラウンドをめいっぱい使ったワンツーパスのシーンでは会場中が湧きました。
●また、小笠原も少ない時間ながら、柳沢へのスルーパスや、自身もドリブルで持ち込んでのシュートなど、初代表とは思えない、ハツラツとしたプレーぶり。混線模様の代表の中盤にまた1人、名乗りを挙げたと言ってもいい出来でした。
●ただ、見せ場は作るものの、ゴールには至らないというシーンが続き、裏を取られて危なくなりかけるという場面も終盤まであり、その辺りは消化不良なままでした。
●結局、試合は1-0で日本が勝利。点差以上に内容でも相手を上回り、選手個々も持ち味を発揮して存在感を示した選手が多く、収穫は多くあった試合でした。しかし、それが故に、もっとゴールが見たい試合でもありました。新しい選手がいたということで、その辺のコンビネーションが今からでどうなのか?W杯をあと3ヵ月後に控え、チーム作りはいよいよ佳境に入ってきました。
ポーランド戦
左の布陣が、ポーランドで行われた、対ポーランド戦の日本の布陣です。
●日本は、この試合に欧州でプレーしている、川口、小野、中田、稲本が合流。対するポーランドも地元での試合ということで、ベストメンバーでのぞんできました。
●日本はGKに川口、3バックはウクライナ戦と同じく、宮本、中田(浩)、松田の3人、中盤の底には戸田と稲本、右に市川、左に小野、トップ下には中田(英)、2トップは鈴木と高原というメンバー。欧州組の4人は全員先発でした。
●川口は所属しているポーツマスでも、なかなか試合の出場機会に恵まれておらず、久々の実践で試合勘が心配されていましたが、そんな不安を消すかのように安定した守備を披露。ハイボールの処理や、足場の悪いグランドでもしっかりとボールをキープするなど安心して見ていられました。
●3バックも、ウクライナ戦の時よりは、しっかり相手のマークやスペースのケアが出来、相手にほとんど形を作らせず機能していました。これには、中盤のボランチの選手やサイドの選手も戻ってカバーをしていたのも大きいです。小野や市川の守備での貢献、戸田の効果的なプレスがこの試合では大きな鍵でした。
●ぬかるんだピッチでしたが、右の市川は攻守に機能。特に中田(英)のスルーパスに、走り込んでスペースを駆け上がり、再三に渡りチャンスを演出していました。中田(英)も、攻守に渡り貢献。小野とポジションチェンジをしながら、効果的なパスを何本も出し、自身も攻め上がったり、ピンチの際には守備をしたりと、正に日本の中盤に欠かせない存在であることを改めて、思い知らされる程の出来でした。前線の高原、鈴木も良く動き回り前線から、ボールをチェック。そういった1人1人の献身的な動きがチームとなって機能し、ポーランドを圧倒しました。
●前半9分、中田(英)の右サイドへのスペースのパスに、市川が反応しボールに追い付き、センタリング。これをポーランドDFが一端はクリアしますが、そこに中田(英)が走り込み、そのまま右足でダイレクトでシュート。これが決まり、日本が早々と先制します。
●日本は、その後も運動量でポーランドを圧倒。ポーランドは殆ど攻めの形が作れません。右サイドの市川の再三の突破が特に印象に残りました。
●前半41分には、小野とポジションチェンジして左サイドにいた中田が前方逆サイドへロングボール。そこには、やはり市川が走り込んでおり、ボールを受けた市川はそのまま、正確なセンタリングをペナルティエリア内へ。そこに走り込んでいた高原が、一端はボールを取られかけますが、こぼれ球にすばやく反応し、左足を振り抜いてゴール。日本は2-0とリードして前半を折り返します。
●後半も日本は前半と変わらないメンバーで、スタート。ポーランドも大幅に選手を入れ替えます。しかし、日本が優位に試合を進める展開は変わらず。日本は最後まで運動量が変わりませんでした。
●トルシエは、久々起用の久保や、前戦にも出場した福西、波戸、明神を投入。代わって入った選手も、自分が生き残るために、必死さを感じさせるプレーを見せ、日本は最後まで組織力が落ちず、最後までポーランドを圧倒。惜しいシーンも何度も迎えました。
●結局、試合は日本が2-0で勝利。日本は点差以上に内容でも圧倒しての勝利でした。しかし、やはり決定的なチャンスで、決め切れないシーンがあったので、強豪との対戦の時に、こういったチャンスを決められないのは響くかもしれません。
●しかし、海外組が機能したことや、新戦力の市川がこの2試合で活躍したことなど、やはり収穫の多い試合でした。何よりピッチの悪いアウェイで、ベストメンバーを相手に勝利出来たという事実が、選手に大きな自信を与えたことでしょう。今後は完成度や連携をさらに高めていく事が必要になるはずです。
●こうして、日本のW杯イヤーの最初の親善試合は、まずまず好発進したといえる試合内容でした。
親善試合(4月)
日本 1―1 コスタリカ
(明神)
この時期の出場選手の平均年齢 25.55歳
左の布陣が、親善試合、対コスタリカ戦の日本の布陣です。
●この試合、トルシエ監督は海外組を召集せず、国内組だけでメンバーを組みました。W杯へ向けて、メンバーが固まりつつある中、残りわずかの椅子を巡る、メンバーの生き残りのテストの感もありました。
●先発はGKに楢崎、DFは中田(浩)、宮本、松田の3人、戸田と明神の2人で中盤の底を形成し、右に市川、左に三都主、トップ下に小笠原、FWは柳沢、鈴木の2トップでした。
●楢崎は、この試合でもPKを止めたのを始め、安定感のある守備で存在感をアピール。川口との正GK争いに名乗りを挙げています。DFの3人も、この試合でも全般的には安定していたものの、ラインコントロールの不安定さから、相手に突破を許すシーンが数度あり、課題を残した感は否めませんでした。森岡が負傷のため、中央に入っている宮本の出来が、ラインの安定感を大きく左右しています。
●戸田と明神の2人はこの試合でも良く動き、攻守の繋ぎでチームに貢献。全体的にはプレスが十分にかかっていない状況で、献身的な動きを見せていました。左の三都主は持ち味を発揮。1対1の場面でも積極的に仕掛けて突破し、鋭いクロスボールを何度も上げるなどの活躍を見せていました。しかし、右の市川はスペースがなかなかなかったこともあり、持ち前の正確なクロスを披露できないままに終わってしまいました。
●トップ下の小笠原は、3月のウクライナ戦での評価から、この試合でも期待されていました。前半にミドルをシュートを放ち惜しい場面などはありましたが、全体にポジショニングが下がり気味で、攻撃に絡めず、わずか26分で森島に交代と代えさせられてしまいました。彼1人のせいだけではなく全体のバランスも悪かったので、惜しまれる交代ではありました。
●2トップの柳沢と鈴木ですが、鈴木はこの試合でも前線で良く動き回り、機能していましたが、柳沢の方はやや精彩を欠き、なかなか決定的なチャンスに絡めず、やはり早い段階で西沢に交代させられてしまいました。
●森島も西沢も、いきなりの登場でしたが、森島はポジショニングの良さや豊富な運動量で、攻撃にも何度か絡み、日本の攻撃が勢いつきました。西沢も、身体能力の強さやボールキープ力を見せていおり、ヘディングシュートがポストに当たるなど惜しいシーンもありました。もっと力強さが欲しい所でした。
●試合は前半から、ガンガン仕掛けてくるコスタリカに、日本はやや戸惑い、なかなかプレスもかけられません。1対1の場面が多かったり、マンツーマン的な守備のコスタリカは、これまで対戦してきた相手とは、やや勝手が違い、1人1人の個人能力も優れていたために、日本は苦戦します。
●後半、日本は市川に代えて福西を投入、明神が右サイドに回ります。福西は中盤の底から積極的に攻め上がり、そのことで日本の攻撃に厚みが増します。後半はやや日本が押し気味な展開になりました。
●日本は、後半早々に相手にPKを与えてしまいますが、これは楢崎がセーブし事なきを得ます。その後も、三都主の突破からセンタリングでチャンスを作りますが、これもコスタリカの身体を張った守りの前に得点できません。
●しかし、70分に右サイドの明神のセンタリングが、GKの頭上を抜けそのままゴールに入るという幸運で日本が先制します。日本が勢いつくかに見えました。
●コスタリカはその後も、守ってからの速攻というスタイルを続けますが、77分にカウンターから同点ゴールを奪われてしまいます。ラインコントロールと1対1の対応の不安定さを突かれてしまっての失点でした。
●その後、日本は服部、波戸、中村、久保と立て続けに選手を交代させます。中村などは再三、選ばれていながら試合に出る機会がなく、久々の出場でした。
●それぞれ、生き残りをかけて短い時間でしたが、自分おプレーをアピールしようと必死な姿勢が伺えました。中村の絶妙なクロスボールや、波戸の積極的な攻め上がり、久保の身体能力の高さ、服部の入る事で出る守備への安定感。しかし、1-1の状況をひっくり返すまでには至らず、結局、試合はそのまま引き分けに終わりました。
●この試合では、ベストメンバーではないとはいえ、コスタリカのいい部分が目立った試合で、逆に日本はあまり良い所が出せないままに終わってしまった感がありました。
●小笠原や柳沢の早めの交代は、決して彼等の動きが悪かった訳ではなかった印象もあるので、疑問は残りました。しかし、そんな中でも、楢崎、三都主、戸田、福西など存在感を出した選手もいたのは事実。トルシエ監督が、この試合をどう評価し、今後のメンバー選考に繋げていくのかが注目されます。
キリンカップ’02(4〜5月)
1―0 スロバキア
(西沢)
日本 3―3 ホンジュラス
(中村2、三都主)
この時期の出場選手の平均年齢 23.11歳
スロバキア戦
左の布陣がキリンカップ第1戦、ジョンジュラス戦の日本の布陣です。
●トルシエ監督はこの試合、西沢の1トップで中村を中盤の中央に配し、三都主を左、FWの柳沢を右のアウトサイドに起用するという思いがけない布陣を敷いてきました。
●攻撃のオプションを試すという意図もあったものですが、柳沢は積極的な攻め上がりやクロスでチャンスに絡む場面は何度か見られました。しかし、慣れていないポジションとしては十分に機能していました。
●久々の国際Aマッチ出場となった中村も、得意の中央でのプレーということで広い視野で、ゲームを支配し、再三に渡って攻撃の起点となり機能していました。
●1トップの西沢も前線で身体を張ったプレーで、ボール競り合いチャンスにしっかりと顔を見せ、この試合ではゴールも決めるなど存在感を示していました。
●中盤の底に位置した、稲本と戸田もボールを広い、攻め上がってチャンスを作っていました。
●3バックの連携もほぼ問題なく、相手を抑え切れていました。
●この試合は、前半から日本が試合を支配し、攻撃で何度もチャンスを作れていました。日本の得点は、前半39分、中村と柳沢のワン・ツーから西沢に浮き球のパス。ボールを受けた西沢は、ゴール前に走り込む森島へセンタリングゴール前で混戦になりますが、最後は西沢がボールを押仕込みゴール。再三押していた中でのゴールでした。
●後半に入っても、日本は優位に試合を進めます。福西、柳沢、鈴木、久保、小笠原とどんどん選手を交代し、積極的に攻めの姿勢を貫きます。小笠原が中央に入ってからは中村は左サイドでプレーしました。
●その後は追加点は奪えませんでしたが、日本は最後まで攻撃的に攻めて試合終了。1―0で勝利しました。
●この試合では、新しい試みが色々と試され、オプションとしては面白いと考えられる面もある一方で、W杯本番を控えたこの時期に、まだこういったことをする必要があるのかという声もありました。しかし、DFの3人を中心に守備に関しては、まずまずの安定感を見せ、攻撃に関しても中央に入った中村が好パスで攻撃を演出。今後の中盤の構成がどうなるのか、多いに興味を抱かせる内容でした。
ホンジュラス戦
左の布陣が、キリンカップ第2戦のホンジュラス戦の日本の布陣です。
●日本は2トップに鈴木と西沢、トップ下に森島、左に中村、右に波戸、福西と稲本を中盤の底に配し、3バックは松田、宮本、中田(浩)の3人で臨みました。
●試合は序盤から、ノーガードの打ち合いのような展開に。中村のチャンスメークからシュートの場面に持ち込んだかと思えば、直後にカウンターをくらう場面も多く、この試合ではDF同士の連携もうまくかみ合っておらず不安定な場面が見られました。
●試合は、まずホンジュラスがコーナーキックから頭で合わせて先制。日本はゴール前に大きなスペースを作ってしまいました。
●その後もカウンターはくらいながらも、日本は中村がゴール前フリーキックから、ちょこんと横へずらしたボールを蹴り込みそれが決まりと同点とします。直後にホンジュラスの速攻を受けて再び突き放されます。
●その後、再び中村が今度はコーナーキックを直接決めて同点としますが、ホンジュラスは更にDFの裏を突く攻撃を繰り返し、前半終了間際に再びゴール、前半は2-3とホンジュラスのリードで折り返します。
●後半、日本は三都主と市川を投入。中村をトップ下でプレーさせます。ハーフタイムで修正があったのか、中盤でのプレスが前半よりはかかるようになり、ボールも回せるようになります。
●日本は後半、PKを三都主が決めて同点としますが、中村は負傷退場のアクシデントで小笠原が起用されました。更に久保も投入されますが、結局、後半はこの1ゴールのみとなり、試合は3-3で引き分けに終わりました。
●この試合では、攻めに関しては中村のフリーキックとコーナーキック、三都主のPKセットプレーから3点でしたが、きちんと崩しての形ではありませんでした。DFでも、初の3失点とラインの裏を取られる場面も目立ち不安定でした。
●W杯本番を1ヵ月後に控え、ここに来て攻守に不安定な面が出てしまったのは、不安要素ですが残りの3試合で修正して、本番へと臨まなくてはいけません。
欧州遠征(5月)
日本 0―1
日本 0―3
この時期の出場選手の平均年齢 24.00歳
レアル・マドリード戦

左の布陣が、欧州遠征先でのレアル・マドリー戦の日本の布陣です。
●この試合では、日本はGKには曽ヶ端が先発、DFはいつもの松田、宮本、中田(浩)、中盤の底に戸田、稲本、右に明神、左に三都主、トップ下に森島、鈴木、柳沢の2トップという先発でした。
●対するレアル・マドリーは、主力は半分ほどしか出ていないメンバー。天候もあいにくの雨でピッチのコンディションも良くない状態で試合に臨むこととなってしまいました。
●この試合では、日本のプレスが殆どかからず、相手にボールを回されてしまいました。前半27分、ゴール前、ロベルト・カルロスのFK。日本のDF陣は一斉にラインを押し上げますが、ラインから抜け出したコンゴがFKで来たボールを直接蹴り込みゴール。オフサイドか否か微妙なタイミングでしたがゴールの反応。日本の機会的なラインの上げ下げが失点の原因となってしまいました。
●この試合では、稲本などは積極的に身体を張り、攻守に存在感を出していたのが収穫でした。しかし、全体的には主力のいない相手に対しても、効果的な攻めてを見い出せないまま時間ばかりがすぎていくといった感じ。何度かあった決定的なチャンスもGKの攻守の前にゴールが奪えません。
●日本はテストの意味合いも含め、山下、久保、小笠原、服部、市川、福西、中沢などを投入。しかし、試合の状況から十分に機能できているとは言い難く、試合自体の意義も薄らいでしまったものになてまっいました。
●試合は、結局0-1で終了し日本は敗れました。この時期に来ての日本の不安定な戦いぶりに加え、中村の負傷が癒えず、西沢も盲腸で緊急入院してしまうなど、不安が集まりました。稲本が好調さを取り戻したこと、今回のメンバーには中田や小野などのが合流していなかったことなどが、不安を軽減させる材料ではありました。今後更にチームの完成度を高める必要性が感じられました。
ノルウェー戦

左の布陣が、親善試合のノルウェー戦の日本の布陣です。
●日本は中田、小野もチームに合流し、トルシエ曰く「W杯メンバーの99%はここにいる」というメンバーで試合に臨みました。
●しかし、この試合はほぼ一方的なノルウェーのペース。ノルウェーは日本を研究した戦い方。ラインを深くして日本が裏を突くスペースを与えず、攻撃でも意識して、日本がDFラインを上げてくるタイミングを逆手に取り、2列目から選手が飛び出すという攻撃。
●日本は久保が初先発で期待を集めましたが、動きが固く残念ながら活躍できないままに終わってしまいました。DF陣も速さと高さのあるノルウェーの攻撃には苦戦を強いられました。
●日本は後半に、DFラインを上げた裏を取られ、同じような形から3失点。機械的にラインを上げるだけではなく、その場その場での臨機応変な対処も必要だという印象を受けさせられました。
●日本あ0-3と日本の完敗。W杯に出ないノルウェーにいい所なく敗れ去りました。今日のような戦い方を本番での相手もしてこないとは限りません。が、同時にまだこの段階で、こういった課題がハッキリしたという見方もできます。修正できる点はまだまだあるはずなので、1つでも多くの問題点を直さなくてはいけません。
親善試合(5月)
日本 1―1 スウェーデン
(オウンゴール)
この時期の出場選手の平均年齢 25.00歳

左の布陣が、W杯前最後の親善試合となったスウェーデン戦の日本の布陣です。
●日本は、W杯に出場する23人が決定。そのメンバーでの正に最後の調整となる大事な1戦でした。
●日本はGKに楢崎、DFは松田、森岡、中田(浩)、中盤に戸田、稲本、左に服部、右に小野、柳沢と森島が前線という布陣でした。森岡が帰ってきてDFの中央へ、そして小野が初めて右に起用されました
●日本は高さとうまさのあるスウェーデンの攻撃に苦戦します。初めて右に起用された小野のプレーも決して万全とはいえず、服部も連携の面でやや課題を残しました。
●前半は五分の展開。日本もチャンスを作りそうにはなりますが連携面でミス、対するはスェーデンはしっかりとした繋ぎから、前は19分にラーションのパスを、走り込んで受けたアルベックが蹴り込みゴール。日本は一瞬のスキを突かれました。前半はこのまま0-1でスウェーデンのリードで折り返します。
●後半、日本に入り明神を右にいれ、小野が左へ。森島と鈴木を交代させるなど、従来の形に布陣を戻します。これにより、チームのリズムがだいぶ良くなりました。同時に、スウェーデンも動きが落ちてきます。
●日本は、GKの川口と曽ヶ端以外は全員ピッチに送りだしました。後半17分に三都主のクロスが相手に当たりオウンゴールで日本は同点となりました。オウンゴールではありましたが、しっかりとあいてを崩した結果生まれたゴールなので、ほぼ日本の形のゴールといって良いものでした。
●試合は、このまま1-1で引き分けでしたが、強豪のスウェーデン相手にも互角の試合運びを見せることが出来ましたが、あくまで親善試合。お互いに後半は多くのメンバーを交代させましたから、そのまま参考には出来ません。
●しかし、この後はいよいよ本番のベルギー戦。日本には持てる力を全て出し切って結果を出すことを切に願わずにはいられません。
ワールドカップ’2002(6月)
日本 2―2 ベルギー
(稲本、鈴木)
1―0 ロシア
(稲本)
2―0 チュニジア
(森島、中田)
日本 0―1
この時期の出場選手の平均年齢 24.00歳
ベルギー戦
左の布陣が、2002年W杯の日本の初戦、ベルギー戦の日本の布陣です。
●日本の布陣はGKが楢崎、DFは松田、森岡、中田(浩)、中盤は底に戸田、稲本、右に市川、左に小野、トップ下に中田、2トップは鈴木と柳沢でした。前回W杯から続けての出場は中田、ベンチ入りでいたメンバーでは楢崎。直前の選考で漏れチームに帯同していた市川がそうでした。4年の歳月を経て、日本が再び世界の舞台に立つ日を迎えました。
●試合は序盤から、体格に優るベルギーがやや優勢に試合を進めます。クロスから何度か決定的なチャンスを作られ、危ない場面もありましたが、そこは楢崎の好セーブ。日本はベルギーのカウンターを警戒し、中盤でも早いプレスをかけて、ボール回しもリズムは作れていますが、中盤より先の前線でなかなか決定的な形が作れません。
●前半は、ややベルギーが優勢な印象ながら0-0で終了。気の抜けない展開が続きます。
●後半開始。日本は、自陣ゴール前でセンタリングをクリアしようとし、一斉にラインを押し上げますが、その裏にロビングボールを放り込まれ、審判はオフサイドの判定はなく、最後ウィルモッツが見事なオーバーヘッドキックを放ち、これが日本ゴールへ。日本は先制されてしまい、嫌な雰囲気が立ちこめます。
●しかし、日本はその2分後、左サイドの小野からロングパス!それをベルギーDFは、安全に処理出来ると判断し、一瞬、動きが躊躇します。そこに鈴木が走り込んでいました。鈴木はDFを抜き去り、GKよりも早くその足を思いきり伸ばし、爪先で触りました。決して力強い勢いではありませんでしたが、ボールはGKの脇をすり抜けゴールへ。日本は先制された嫌な雰囲気を一気に跳ね返しました!鈴木の執念が生んだ、正に日本を救ったゴールでした。
●その後、日本は小野に代えて三都主が入り攻撃的な姿勢を見せます。日本は、更にやってくれました。中盤でボールを稲本がボールを奪い返し、こぼれたボールを柳沢が再び稲本へパス。稲本をパスを受けたままドリブル!DFを振り切り、相手GKと1対1になり左足を思いきり振り抜きます。ボールが右隅に突き刺さり、日本は逆転ゴール!日本中の興奮が最高潮に達した瞬間でした。
●しかし、その後、日本は森岡が負傷し宮本と代わるというアクシデント。その直後に、ベルギーの同点ゴールが生まれてしまいます。日本は最初の失点と同じくラインを上げた裏を突かれ、ヴァン・デル・ヘーゲのヘディングが、飛び出してくる楢崎の頭を越えゴールに。勝負は振りだしに。
●その後は両チームと一進一退の攻防。日本は稲本があわや2点目となるシュートを放ちますが、その前にファウルの判定で取り消しに。しかし、前半は陰を潜めていた積極性が生まれたことで互角の内容になりました。
●結局、試合は2-2の引き分けに終わりましたが、日本は前回W杯では得られなかった勝ち点1を手にいれました。試合も先制された後に追い付き、1度は逆転するという勝負強さ。評価出来る試合でした。結果としてみれば、この引き分けで逆に気分が引き締まったという見方も出来ます。
●勝つことが勿論ベストですが、出だしとしては決して悪くないスタートを切った日本。4年前から更に逞しくなって帰ってきました。次戦以降も期待がもてます。
ロシア戦
左の布陣が第2戦のロシア戦の日本の布陣です。
●日本は、第1戦の先発メンバーからは、右サイドの市川に代えて明神、DFの中央に負傷中の森岡に代わり宮本が先発となります。
●試合は序盤からややロシアが優勢に試合を進める展開。日本も中田(英)を中心にチャンスを作ろうと試みますが、ロシアの壁に跳ね返される場面が何度かありました。日本はバランスを重視するあまり、攻め切れないような印象でした。
●しかし、この試合の日本のDF陣は前の試合の反省からか、むやみに機械的にラインを上げることをせず、ハイボールに対して冷静に対処し、ロシアにも決定的チャンスを作らせませんでした。
●前半の中盤から後半にかけて、日本は中田(英)がフリーで決定的なミドルシュートを放ちますが枠を越え、ロシアもロングシュートで惜しい場面を作るなど膠着状態が続き、45分が終了。0-0で折り返します。
●後半、日本はメンバーを代えずにスタート。ロシアが日本の裏を突く攻撃を繰り返してきますが、日本のDFは落ち着いていました。
●そして、後半の5分、左サイドの中田(浩)が相手エリア内にグラウンダーでクロスボールをいれます。それを、柳沢はワンタッチですぐ左に稲本の足元へ。稲本は落ち着いて右足でシュートを決め、日本が先制します。稲本は2試合連続で好調さをアピールすることが出来ました。
●その後、試合のペースは日本へ。柳沢、鈴木などがフリーで抜け出してシュートを放ちますが枠にはいかず、中盤からドリブルで切れ込んだ中田(英)がロングシュートを放ちますが、それは惜しくもクロスバーへ。決め切れないという印象は残りましたが、日本の選手は自信をもって最後までしっかりと戦い抜きました。服部、福西、そして4年前、日本のW杯初ゴールを決めた中山がピッチに立ち自分達の役目を全うします。
●そして、遂に勝利のホイッスル!!日本は2回目の出場にして、W杯初勝利を遂げました。選手、スタッフ、サポーター全てが一丸となって得た勝利でした。ここまで辿り着くまでには、本当に大勢の人間の努力や経験が積み重なっていますが、今の選手達は自分達の力を信じ、力を出し切り結果を出しました。
●しかし、まだW杯は終わっていません。まだ1勝しただけに過ぎません。次のチュニジア戦に勝利し、グループ1位で決勝トーナメントに進むことで、ようやく次に進めると言えます。力を出し切れば決して難しくはない相手。期待していいでしょう。日本、おめでとう!
チュニジア戦
左の布陣が、長居で行われた第3戦のチュニジア戦の布陣です。
●先発メンバーはロシア戦と同じ顔触れで臨みます。
●日本は序盤から受け気味のチュニジア相手に優位に試合を進めますが、慎重になってしまったのか最後の部分で決め切れません。何度か抜け出す場面もありましたが、身体能力のあるチュニジアの選手に追い付かれ防がれてしまいます。
●チュニジアもその個人の能力の高さから、日本DFに遅いかかります。終了間際には、チュニジアにエリア内まで突破されてしまいますが、日本は戸田のタックルで防ぎきりますが、危ない場面でした。
●前半は日本が優勢に進めながらも点が取れない展開のまま、0-0で折り返します。
●後半、トルシエは稲本に代えて右サイドに市川を入れ、明神がボランチの位置へ。FWも柳沢に代えて森島がと、選手を2人同時に交代させます。このことが、結果的に効を奏しました。
●後半開始早々の2分、右サイドを抜けた鈴木が走り込みますが、相手DFがクリア。しかし、そのこぼれたボールの所に、森島が走り込んでいました。森島はそのボールに対し、ダイレクトで右足を振り抜きます。ボールはゴールに突き刺さります。日本の先制ゴール!森島は地元の長居でこれ以上ない見せ場を作りました。
●その後は、更に日本のペースで試合は進みます。右サイドに入った市川も積極的な攻め上がりと正確なクロスでチャンスを演出。森島がダイビングヘッドであわせるも惜しくもポストという場面もありました。
●小野のヘディングシュートも惜しくも相手GKがクリアするなど、チュニジアはカウンター狙いで攻めるも殆ど効果的な攻撃も出来なくなってしまいました。持ち前のスピードで抜け出しても、宮本を中心とするDF陣の安定した守備に跳ね返されてしまします。
●1点を守るのではなく、更に攻めの姿勢を続ける日本は、29分に右サイドの市川がフェイントから再び正確なセンタリング!ボールはゴール中央に走り込んでいた中田(英)の頭にピタリとあいボールはゴールへ!日本は2点目を決め、この試合は勿論、決勝トーナメント進出を決定的なものとしました。
●最後、日本は小笠原も出場を果たしました。こういった少しのことが今後に繋がることでしょう。
●試合はそのまま2-0で終了。日本は勝ち点を7としグループリーグ1位で決勝トーナメント進出を果たしました。3戦全敗で終わった4年前の経験を見事に活かし乗り切ったのです。ここからは、新たな挑戦。1つでも上を目指し、日本にはいけるところまで行ってもらわなくてはいけません。
トルコ戦
左の布陣が、宮城で行われた準決勝のトルコ戦の日本の布陣。
●日本はそれまでと先発メンバーを少し入れ替え、FWは西沢の1トップ、少し下がり目の位置に三都主が入り、中田が中央に入るという布陣を強いてきました。
●試合は雨が降る生憎のコンディション。歴史を変えた日本がどこまでいけるのか注目が集まった1戦でした。
●しかし、先制したのはトルコでした。左サイド中田(浩)の安易なパスミスからボールが流れ、トルコのコーナーキックに。そのコーナーキックで、トルコにダバラにフリーでヘディングで決められてしまいました。
●その後は、引き気味になったトルコに対し、日本がボールをもち攻める場面が増えますが、ゴールは奪えません。初先発の三都主も時間が経つにつれ、動きが良くなってきます。西沢も身体を張ったプレーでボールをキープしチャンスを作りますが、それを跳ね返すトルコ。両チームとも攻めあぐねる展開になりました。
●前半41分には、ゴール前FKのシーンで三都主のシュートがバーを直撃というシーンもありましたが、点が奪えません。日本は0-1で前半を折り返します。
●後半、日本は三都主と稲本に代えて、市川と鈴木を入れます。攻める日本、守るトルコという図式は変わりません。
●一進一退の攻防が続くまま、時間が過ぎていきます。日本は、後半頭に代わったばかりの市川に代えて森島を投入し、前線に人数を割きますがトルコの守りは崩せず。とうとう試合終了のホイッスル。0-1。日本のW杯での戦いは終わりました。
●日本は前回の3戦全敗という結果から4年、トルシエ監督のもとでベスト16という結果を残しました。その間、大きな世代交代が行われ若い選手達は育ち台頭してきました。勿論、日本サッカー界全体の功績でもありますが、その選手達を使い分けたトルシエ自身の手腕でもあります。就任以来、その言動や行動に賛否のあったトルシエですが、彼の就任でワールドユース準優勝、シドニー五輪ベスト8、コンフェデレーションズ杯準優勝、そして今回のW杯ベスト16と、日本サッカー界はこれまでにない程の成績を収めました。今後も、これだけの成績を期待するのは決して簡単なことではありません。全てが順調だったとは言えないかもしれませんが、着実に日本のサッカーは発展していることは間違いありません。更に上を目指すためには、この「経験」を次につなげる他はありません。
4年前はどういうものなのか解らなかった「経験」という言葉の意味、それを理解できたことが今大会の一番の収穫だったのではないでしょうか?
勿論、W杯ベスト16という結果に100%満足してはいけません。戦い方によっては次にいける可能性もあったはず。それは十分に検証する必要があるでしょう。これ以上の結果を出すためには、これまでのものをベースに、それ以上のものが必要となります。それが可能かどうなのか、今後も日本のサッカーの発展を見守っていきたいと思います。
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