トルシエジャパンの布陣6


2001年

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アジア・オセアニアチャレンジカップ(8月)


欧州遠征(10月)


親善試合(イタリア戦)(11月)


下に描いた布陣の図はあくまでおおまかなものです。
実際の試合とは、選手交代やポジションなどが、若干異なる場合があります。


アジア・オセアニア チャレンジカップ(8月)


     日本  3―0  オーストラリア
(服部、柳沢、中山)     


この時期の出場選手の平均年齢 25.50歳


パラグアイ戦  左の布陣が、日本対オーストラリアのアジア・オセアニアチャレンジカップの日本の布陣です。

●キリンカップ終了後、日本は、高原、小野、稲本といった代表でも中心的な若手の選手が次々に海外へと移籍。この試合では、国内のメンバーだけが召集され試合にのぞみました。

●日本は左サイドに服部がボランチの位置で伊東が先発出場。それ以外はキリンカップと同じメンバーでした。トルシエ監督も、ここにきてまで新しい選手はあまり試してこず、どちらかというとこれまで戦術や約束事の再確認に重きを置いたようです。海外組がいない中、今いるメンバーでどれだけの事が出来るのかの可能性も模索されました。

●この日のオーストラリアの選手も、欧州でプレーする選手はおらずコンフェデレーションズカップの時よりも、少しレベルは下がる相手となってしまいました。

●試合は序盤こそ、オーストラリアの選手の高い打点の攻撃に少し危ない場面もありましたが、その後は暑さでオーストラリアの選手は動きが落ち、日本ペースになります。

●前半開始19分、森島がドリブルでエリア内深くまで切り込み、そのままセンタリング。これを柳沢がしっかりと決め、日本が先制します。その後も何度かチャンスは作るものの、前半は1-0で日本が折り返します。

●後半も日本は運動量が落ちずに、終始試合を優位に進めます。後半すぐに左サイドの服部が攻め上がり、ゴール前で柳沢とワン・ツー。服部はそのまま、効き足ではない右足でシュート。これが決まり日本が2点目を奪います。その後も日本は攻め続け、柳沢のドリブル突破をオーストラリアDFが倒しPKを奪取。その直後、交代で入った中山がこれを決め、ファーストタッチでゴール。久々の中山のゴールでチームも盛り上がります。

●その後も、日本は明神や奥をいれて中盤のバランスを保ちながら、安定した試合運びでオーストリアを圧倒。得点チャンスにそれ以上は決められませんでしたが、3-0と快勝しました。

●この試合では、確かにオーストラリアはベストメンバーとは言えない陣容でしたが、それを言えば日本も海外組を始め、名波、中村などもいないメンバー。そんな中でもチームコンセプトをしっかりと体現し、安定した試合運びで勝利したのは、大きな収穫だったといえます。

●この先、海外組が経験を積み、国内組は更にチーム力を高めることで、代表チーム全体の底あげが出来るようになれば、2002年やそれ以降の日本サッカーにも明るい道が見えてくると言えるでしょう。








欧州遠征(10月)


  日本  0―2  セネガル


    日本  2―2  ナイジェリア
(柳沢、鈴木)     




この時期の出場選手の平均年齢 24.18歳


セネガル戦
セネガル戦  左の布陣が10月の日本の欧州遠征の際に行われた、対セネガル戦の日本の布陣です。 ●この遠征では、海外でプレーしている選手が全員召集されましたが、森島や名波、中田が負傷のためにメンバーを辞退、特に中盤の選手にとっては自身をアピールする絶好の機会でした。トルシエ監督はこの遠征を実験室「ラボ」と名付けました。

●先発メンバーは、GKに都築、DFは松田、森岡、中田(浩)の3人、ボランチに稲本と戸田、右に波戸、左には奥が、トップ下には藤本を起用。2トップは鈴木と高原でした。

●しかし、この試合では身体能力に優れるだけでなく組織力もしっかりと整備されているセネガルを相手に、日本は防戦一方になります。

●日本は、前半はシュートを1本も撃てず、都築のファインセーブでどうにか失点を防いでいるという場面ばかりが目立ちました。

●攻撃陣では、藤本や奥が殆ど機能できず、前線にいい形でパスが出ないために、2トップも孤立。殆ど目立った場面はなく前半を0-0で折り返します。 ●後半開始時、トルシエ監督は中田(浩)、藤本、高原に代えて、服部、伊東、柳沢を投入します。序盤は少し前線で柳沢の効果的な動きで、ペースが日本に傾きますが、試合全体の流れをもってくるまでには至りません。

●更に日本は、稲本に代えて福西、奥に代わり国際Aマッチ初出場の広山を投入。広山は右アウトサイドに入り、波戸が左に回りました。広山は、持ち前の突破力で相手の守備陣を突破し、何本かいいセンタリングを上げるなど、劣勢な中にあって、数少ないチャンスを演出していました。

●しかし、それ以外は結局、ほとんど攻撃の形が作れない日本は、後半31分にゴール前の直接フリーキックを決められて先制されると、更にロスタイムにはカウンターから更に失点。0-2で敗れました。

●点差こそ2点でしたが、内容は点差以上に完敗で、日本は攻守において殆どいい所がありませんでした。テスト的な意味合いの強いメンバーだったとはいえ、あまりにも多くの課題が残された試合でした。数少ない収穫といえば、アウェイの中での厳しい試合、身体能力と組織力に優れるアフリカのチームとの試合が出来たという経験、初出場の広山が何度か目立った程度でしょうか。

●トルシエ監督が実験室と称したこの遠征、経験以外でも収穫を得なくてはいけないはずです。今後に注目していかなければいけないでしょう。



ナイジェリア戦
セネガル戦  左の布陣が、その3日後に行われた、ナイジェリアとの親善試合の布陣です。

●日本は、この試合の先発はGKに川口、DFはセネガル戦からは中央の森岡に代わって宮本が入り、中盤も少し形を変え、伊東、戸田、稲本とボランチが3人入り、誰かが積極的に前に出るような形に。左には小野、右には波戸、2トップは柳沢と西沢の2人でした。

●この日の試合前からどしゃ降りの雨で、ピッチには大きな水溜まりの出来る悪コンディション。そんな中でも、日本は技術の個人の優れるナイジェリア相手に押し込まれてしまいます。

●しかし、そんな状況下でしたが、前半25分、左サイドを上がった伊東からのセンタリングを、柳沢がヘディング。これが相手DFに当たるという幸運もあり、ボールは相手GKの手を弾きネットへ。劣勢だった日本が先制します。

●しかし、ナイジェリアはその直後、コーナーキックからの混戦を押し込み、すぐに同点に。試合は振りだしに戻ります。

●その後、日本は小野と波戸が左右のポジションを交換するなど、攻めの形を作ろうとしますが、悪天候の中で、セネガル戦の時よりはボールはキープ出来ていたものの、やはりなかなか突破口を掴めません。前半は1-1で折り返します。

●小野や稲本などの欧州経験組も、時折、強い所を見せていましたが、それ以上にこの試合で光ったのは鈴木や柳沢といった国内組のプレーでした。

●後半、トルシエ監督は波戸、小野、西沢に代えて、服部、広山、鈴木を投入します。

●後半日本は、稲本の身体を張ったプレーで得たフリーキックの場面で、服部のキックを鈴木がダイレクトで蹴り込んで、日本は再び突き放します。

●その後は、日本も何度かチャンスの形が作れ、一進一退の攻防。終盤に、放り込まれたボールに対して松田が処理を誤り、そこでボールを奪われナイジェリアは同点ゴールに。結局は試合は1-1の引き分けに終わりました。

●この試合では、セネガル戦から多少、メンバーを変えたということもありましたが、それ以上に選手1人1人から気迫が感じられました。アフリカ勢相手に相性のいい鈴木の存在や、前線で有機的に動き機能した柳沢、身体を張ったプレーに逞しさが見られた稲本など、前の試合よりは遥かに見所や収穫の多い試合でした。

●この遠征で得た経験や収穫を、今後の代表がどのように活かせるのかに注目です。








親善試合(11月)


  日本  1―1  イタリア
(柳沢)     




この時期の出場選手の平均年齢 24.83歳


イタリア戦  左の布陣が、日本のさいたまスタジアムで行われた、イタリアとの親善試合の日本の布陣です。

●イタリアは2泊3日という強行スケジュールながら、怪我人を除いてのベストメンバーを引き連れて日本に来ました。

●日本の先発は、GKに川口や楢崎が負傷で出場できず、急遽先発となった曽ヶ端、DFは松田が負傷していなかったため、右に森岡、中央には宮本、左に中田(浩)、ボランチには戸田と稲本の2人、左に小野、右に波戸、トップ下には森島、2トップは高原と柳沢の2人でした。

●試合は序盤から、お互いのプレッシングが拮抗し、一進一退の展開。そんな中、前半10分、小野が左サイドで粘って奪ったボールを稲本へ、稲本は前を見て空いたスペースにセンタリング。そこに走り込んだ柳沢が、右足のアウトサイドでダイレクトで蹴り込み、ボールはGKブッフォンの反応も届かずゴールへ。日本が先制します。

●日本は前線でボールがキープでき、そこに森島や小野、稲本が積極的に絡んで攻撃を演出。時差ボケでコンディションがベストではないとはいえ、イタリア相手に互角の展開で試合を進めます。守備陣も曽ヶ端が安定した守りを見せ、宮本も身体を張った守りで失点を許しません。

●前半は、1-0と日本のリードで折り返しました。

●後半、日本は高原に代えて鈴木、森島に代えて中田をまず投入します。

●しかし、この試合では中田はボールキープや身体の強さではさすがと思うプレーを見せていましたが、前線の味方とうまく連携がかみ合わず、パスが通らないシーンも何度か見られ、前半の方が流動的な攻撃が機能していたという印象は拭えませんでした。

●イタリアは後半6分にコーナーキックのこぼれをドニが蹴り込み同点ゴール。その後、日本は西沢、服部、明神、伊東、中山などを次々に投入しながらも、最後までイタリアと互角に渡り合い、結局、試合は1-1の引き分けに終わりました。

●確かに、イタリアはこの試合は強行日程だった為、コンディションは良くなく、またさいたまスタジアムにピッチも芝生が根付いておらず、安定したプレーは出来ませんでした。しかし、それでもベストメンバーのイタリアから先制ゴールを奪い、その後、本気になったイタリア相手に互角の展開を見せた日本おプレーは評価出来るといえるでしょう。

●2002年W杯を欲年に控えた、2001年最後のゲームで、日本は紆余曲折はありながらも、少しずつですが確実に成長してきているという印象を受けた試合でした。

●2002年W杯までの間、チームの完成度を高めるため、日本がすべきことはまだまだあります。



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